所得税・住民税関連
更新日:2023年1月29日
雑損控除とは
災害、盗難または横領によって資産に損害を受けたときや、災害に関連してやむを得ない支出をしたときに適用される所得控除です。
雑損控除の対象となる資産の所有者
雑損控除の対象となる資産の所有者は、次のどちらかに当てはまる方に限ります。

  • 納税者本人
  • 納税者と生計を一にする配偶者その他親族で、その年の総所得金額等が48万円以下の方
雑損控除の対象となる資産の要件
雑損控除の対象となる資産は、原則として、生活に通常必要な資産に限られます。

次に示す資産の損失は、雑損控除の対象となりません。

  • 棚卸資産
  • 事業用固定資産および繰延資産
  • 山林
  • 生活に通常必要でない資産

生活に通常必要でない資産とは、以下に示すようなものです。

  • 趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産
  • 趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(平成26年4月1日以後の損失に限る)
  • 1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、書画、骨董など
  • 競走馬その他射こう的行為の手段となる動産



損失の原因
損失の原因は、次のいずれかの場合に限ります

  • 災害(自然災害、火災など人為による災害、害虫などの災害)
  • 盗難
  • 横領



控除額
控除額は、次のいずれか多いほうの金額になります。

  • (損失の金額)-(総所得金額等×10%)
  • (損失の金額のうち災害関連支出の金額)-5万円
損失の金額とは、次に示す計算式のとおりです。

損失の金額 = 資産の損失額 + 災害関連支出の金額 - 保険金などにより補填される金額
災害関連支出の金額とは、損壊した住宅・家財などの取壊し・除去費用など、災害に関連して支出したやむをえない費用のことです。
  • 災害により損害を受けた場合、税金面の救済の方法として雑損控除または災害減免法のいずれか有利な方法を選択できます。どちらを適用するにも確定申告が必要になります。
  • その年の所得金額から控除しきれなかった部分の金額は、翌年以降3年間に繰り越して控除できます。