年金・保険関連
更新日:2024年11月2日
ここでは老後の年金がどれくらいになるか給料や加入期間などシミュレーションしてわかりやすく説明しています。
老後の年金はどうやって計算する?の目次
老後の年金はどうやって計算される?
わたしたちが老後にもらえる年金は、①老齢基礎年金と②老齢厚生年金の2つです。2つの年金の合計をした金額が65歳から給付されます。
※iDeCoなどの私的年金は含んでいません。

老齢基礎年金はどれくらい?計算方法
国民年金に加入していた方は65歳になると老齢基礎年金が終身にわたって給付されます。保険料を納めた期間によって給付される年金額が決まります。納付期間の上限は40年です(480ヶ月)。

※ただし平成21年3月分までは全額免除は2/6、4分の1納付は3/6、半額納付は4/6、4分の3納付は5/6で計算されます。
※参照:日本年金機構老齢基礎年金の受給要件・年金額

老後にもらえる年金額は?
老後にもらえる国民年金(老齢基礎年金)の金額は満額で年間816,000円(2024年度)となっています。
※68歳以上は813,700円

※年金がもらえるのは65歳になってからです。
※手続きにより60歳からもらうこともできます。

保険料を納めた期間 もらえる年金額
40年
(全額免除期間0年)
年金額は年間約81.6万円(満額)です。
30年
(全額免除期間10年)
年金額は年間約71万円です。
20年
(全額免除期間20年)
年金額は年間約61万円です。
10年
(全額免除期間30年)
年金額は年間約51万円です。
0年
(全額免除期間40年)
年金額は年間約41万円です。
※年金制度については年金制度とはを参照。
老齢厚生年金はどれくらい?計算方法
厚生年金に加入していた方は65歳になると老齢基礎年金に加え、厚生年金から老齢厚生年金が終身にわたって給付されます。年金額については厚生年金に加入していた期間や給料などに応じて決まります。

老齢厚生年金の計算式は以下のとおりです。

老齢厚生年金の計算式
報酬比例部分 + 加給年金 + 経過的加算 = 老齢厚生年金
※参照:日本年金機構老齢厚生年金の受給要件・年金額
※それぞれの項目については以下で説明しています。
※65歳以前に支給される「特別支給の老齢厚生年金」については↓の記事を参照。
特別支給の老齢厚生年金とは?受給時に気をつけることは?
報酬比例部分
※次の❶❷の計算式で多いほうを選択
【❶の計算式】

【❷の計算式】

※参照:日本年金機構老齢厚生年金の受給要件・年金額
※1 平均標準報酬月額とは、平成15年3月までの加入期間の各月の標準報酬月額の総額を加入期間の月数で割った金額です。
※2 平均標準報酬額とは、平成15年4月以後の加入期間の各月の標準報酬月額標準賞与額の総額を加入期間の月数で割った金額です。
※金額を計算するうえで、現在の水準で再評価するために「再評価率」を乗じます(現在よりも物価等が低かったころの賃金等に対応するため)。再評価率については日本年金機構HPを参照。

加給年金

※さらに、生年月日に応じて配偶者の加給年金に34,700円~173,300円が特別加算されます。ちなみに、昭和18年4月2日以後生まれの場合には173,300円が加給年金に上乗せされます。
※加給年金とは一定の条件を満たす家族がいる場合に上乗せされる年金です。くわしくは加給年金とは?を参照。

経過的加算

※経過的加算は昭和36年4月以前に加入していた方や20歳前・60歳以降に厚生年金に加入しているひとに上乗せされる部分です。
※1 昭和21年4月2日以後生まれの厚生年金の被保険者月数の上限は480月です。
※経過的加算については老齢厚生年金の経過的加算ってなに?を参照。

※年金制度については年金制度とはを参照。

老後にもらえる年金をシミュレーション
老後にもらえる年金はどれくらいになるのか20歳に新入社員として入社・60歳で退職した場合でシミュレーションしてみましょう。

計算過程は以下のとおりです。

老後にもらえる年金の計算

【下記の条件でシミュレーション】
●20歳~60歳まで(40年間)勤務
●平成15年4月以降に入社
●独身
●毎月支払う保険料が平均約3.7万円(標準報酬月額41万円)
●ボーナスは無し
上記の条件だと、老後の年金は以下のようになります。



報酬比例年金
平均標準報酬額 × 生年月日に応じた率 × 加入月数 = 報酬比例年金

41万円 × 0.005769 × 480 × 1.041 = 約118万円報酬比例年金

※さらに、ここに再評価率を乗じます。再評価率については日本年金機構HPを参照。

加給年金
独身なので加給年金は0円です。

経過的加算
経過的加算については20歳前60歳以降に厚生年金に加入していないので上乗せされる年金はほとんど無しです。
※1,701円 × 480 – 816,000 × 480/480 = 480円(経過的加算)



老後にもらえる厚生年金
以上の3つを合計して約118万円になります。

国民年金(老齢基礎年金)も合計する
老齢厚生年金にさらに老齢基礎年金を合計します。国民年金については40年加入しているので満額の約81万円が加算されます。したがって、65歳になってからもらえる年金は毎年約199万円になります。
118万円 + 81万円 = 199万円

※シミュレーションはあくまでおおざっぱな金額です。
※保険料と老後の年金額が現在と同じと仮定した場合。

老後にもらえる年金は上限がある?
厚生年金に加入していれば、支払った保険料や加入期間によって老後にもらえる年金は増えます。

したがって、たくさん給料をもらっていればそれだけたくさん保険料を支払うことになるので老後の年金は増えていくことになりますが、毎月支払う保険料には上限があります。

なので、毎月多くのお金を稼いだとしても老後の年金が際限なく増えるわけではありません。くわしくは以下のページで説明しているので気になる方はチェックしておきましょう。