年末調整は給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に記入して提出すれば勤務先が年末調整をおこなってくれます。2024年度(令和6年)の申告書は以下のとおりです。
勤務先から年末調整の用紙をもらったら必要な項目に氏名等を記入して提出しましょう。
※自分に必要な書類に記入しましょう。
※どの項目に記入すればいいのかわからない方は下記のポイントを見てチェックすればわかりやすいと思います。
※記入項目❶~❻のチェックは下記のチェックポイント表にまとめています。
※申告書については今年度用と来年度用の2枚を提出することになります。来年度(2025年)の変更点は下記でまとめています。
来年度(令和7年)の扶養控除等(異動)申告書
上記の申告書を見ても何を記入すればいいのかわからない方は下記のチェックポイントを確認しておきましょう。
※各項目は下記で文字を拡大して説明していきます。
※上記の申告書を見ながら①~⑥をチェックしてみましょう(それぞれの項目の書き方は下記で説明していきます。下記の目次を見ながら記入していきましょう)。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の氏名等の記入のしかたは以下のとおりです。全員必ず記入する項目なので忘れないようにチェックしておきましょう。
各種控除の対象にならない方は氏名欄の記入だけになります(ほかの項目は空欄のまま提出することになります)。
※たとえば以下のような方は氏名欄の記入だけになります。
・1年間の収入が103万円以下の学生アルバイト
・独身で扶養している親族がおらず、控除を何も受けない方
など。
※基礎控除申告書については必ず提出することになるので忘れないようにしましょう。ページ下記で説明しています。
氏名欄の記入はここまでです。では次に、❷源泉控除対象配偶者の項目について下記で説明していきます。配偶者がいる方はしっかりチェックしておきましょう。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の源泉控除対象配偶者の記入のしかたは以下のとおりです。
▶以下の条件1~4をすべて満たしている場合、配偶者の名前を記入する(いなければ空欄でOK)。
源泉控除対象配偶者欄の記入はここまでです。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の控除対象扶養親族の記入のしかたは以下のとおりです。
この項目に記入すると扶養控除を申請することができます。
▶扶養している親族が非居住者であり、該当する項目にチェックを入れる。
※非居住者とは国内に住所をもっておらず、1年以上国内に住んでいない方をいいます。
※たとえば年齢が16歳~29歳または70歳以上である場合は該当箇所にチェックを入れる。
※30歳以上70歳未満の場合は、留学・障害者・38万円以上の支払のいずれかにチェック。
※「38万円以上の支払」とは令和6年中に生活費または教育費として38万円以上受けるひとのこと。
※非居住者である場合、親族関係書類の添付等が必要です。「留学」にチェックを付けた場合は、留学ビザ等書類の添付等が必要です。
▶扶養親族の住所をそれぞれ記入する。
▶異動月日および事由には就職・離婚・死亡など扶養控除の適用に変更があった場合などにその事由と日付を記入する。基本的には空欄でよい。
※扶養控除については扶養控除とは?養う家族がいると税金が安くなる?を参照。バイトをする子供がいる親は知っておきましょう。
控除対象扶養親族欄の記入はここまでです。
▶自分が該当しなければ空欄でOKです。自分が寡婦・ひとり親・勤労学生にあてはまる場合、自分または親族が障害者にあてはまる場合は項目に記入すると控除を受けることが出来ます。
くわしい記入手順は以下のリンク先で説明しています。
では次に、他の所得者が控除を受ける扶養親族等の項目をみていきましょう。
他の所得者が控除を受ける扶養親族等欄の記入はここまでです。では次に、❺住民税に関する事項の項目について下記で説明していきます。16歳未満の親族を扶養している方はチェックしておきましょう。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の住民税に関する事項の記入のしかたは以下のとおりです。
次に、住民税に関する事項欄の「退職手当等を有する配偶者・扶養親族」の項目について下記で説明していきます。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の退職手当等を有する配偶者・扶養親族の記入のしかたは以下のとおりです。
▶非居住者である場合は「非居住者である親族」欄の該当する項目にチェックを入れる(配偶者なら配偶者にチェックを入れる)。
※非居住者とは国内に住所をもっておらず、1年以上国内に住んでいない方をいいます。
▶所得がある場合は合計所得の見積額に金額を記入する(給与所得についてはこちらで計算できます)。
▶「障害区分」については退職所得を除いた合計所得金額の見積額が48万円以下である場合はチェックを付ける。
※特別障害者である場合は「特別」にチェックを付けます。
▶異動月日及び事由は基本的には空欄でよい。
▶「寡婦またはひとり親」については退職所得を除いた合計所得金額の見積額が48万円以下である扶養親族がいることで、あなたが寡婦またはひとり親になる場合はチェックを付ける。
住民税に関する事項欄の記入はここまでです。次に、受けられる控除について下記で確認していきましょう。申請できる控除を忘れないようにチェックしておきましょう。
上記でも説明しましたが、税金が安くなる控除(配偶者控除など)を受けたい場合は申告書の該当欄に記入する必要があります。
家族を養っているサラリーマンなどはチェックしておきましょう。
では次に、他に提出する書類について下記で説明していきます。給与所得者の基礎控除申告書についてはかならず提出することになるので忘れないようにしましょう。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書のほかにも、「基礎控除申告書」など提出する書類がいくつかあります。
申告書の書き方は下記の項目で説明しているので該当する方は記入を忘れずにしましょう。
※自分に必要な書類に記入しましょう。それぞれの用紙は年末調整の時期に勤務先から配布されます。
では、それぞれの申告書①②③について下記で説明していきます。
社会保険料や地震保険料、iDeCoなどを支払っている方は給与所得者の保険料控除申告書も提出する必要があります。
アルバイトやパートの方も国民年金保険料などを自分で支払っている場合は社会保険料控除の欄に金額を記入して提出しましょう。
それぞれ記入手順は以下のページで説明しているので必要な方はチェックしておきましょう。
この申告書で「生命保険料控除」、「社会保険料控除」、「地震保険料控除」、「小規模企業共済等掛金控除」を申請することができます。社会保険料や地震保険料、iDeCoなどを支払っている方はチェックしておきましょう。
保険料控除申告書の申請については保険料控除申告書の書き方・見本記入例を参照。
給与所得者の基礎控除申告書についてはかならず記入する必要があります。高校生のアルバイトだとしても記入して提出しましょう。
ほかの2つの控除(配偶者控除や所得金額調整控除)を受ける方は該当する欄への記入も忘れないようにしましょう。
給与所得者の基礎控除申告書についてはかならず記入する必要があります。アルバイトやパートの方も忘れないようにチェックしておきましょう。
▶全員が必ず記入する項目(基礎控除申告書)
サラリーマンだけでなく、高校生のアルバイトだとしても基礎控除申告書は記入しましょう。記入する項目はむずかしい内容ではありません。年収を記入して、それにともなう基礎控除の金額を決定するだけです。
基礎控除申告書については基礎控除申告書の書き方の見本を参照。
▶氏名欄のほかに記入してなくても大丈夫?
とくに控除を受けない方は氏名欄の記入だけでいい。
※氏名欄については上記で説明しています。
▶扶養控除等申告書のほかにも書類を提出するの?
基礎控除申告書は全員必ず提出する。高校生のアルバイトだとしても記入して提出する。
※基礎控除申告書については上記で説明しています。
※扶養控除等申告書とは上記の書類のこと。
▶保険料控除申告書っていうのは書かなきゃダメ?
保険料控除申告書はiDeCoや生命保険などに加入している方が提出する。
※保険料控除については上記で説明しています。
▶所得金額調整控除は自分にも関係あるの?
年収850万円を超える方は所得金額調整控除の項目を記入する。
※所得金額調整控除については所得金額調整控除申告書の書き方で説明しています。
年末調整のときに必要項目を記入しないと税金が安くなるメリットを受けられません。なので、自分に必要な項目をしっかりチェックして書き忘れのないように確認しておきましょう。
※記入項目のチェックは上記でまとめています。
もし、年末調整の書類提出を忘れてしまったりして年末調整を受けられなかった場合、確定申告をすれば税金を精算することができます。勤務先から配布される「源泉徴収票」を見ながら確定申告書を作成することになります。
※くわしくは↓の記事で説明しています。
※サラリーマンについてはサラリーマンの確定申告のやりかたを参照。