住民税はいつから引かれる?給与天引き?バイト・新卒・転職・無職でも?

2024.10.27 更新

住民税(都道府県民税と市区町村民税)をいつから支払うのか詳しく知らないという方は結構いると思います。新卒で入社する正社員やアルバイトをこれから始める方などは、住民税がいつから引かれるかチェックしておくことをオススメします。この記事では住民税を支払う時期について説明していきます。

この記事のポイント(要点まとめ)


▶新卒社員はいつから住民税が引かれるの?給料から住民税引かれる?
新卒で入社した会社員は1年目は給料から住民税が引かれず、2年目から住民税が徴収されることが多い。
※くわしくは下記で説明しています。


▶アルバイトの住民税はいつから引かれるの?
住民税がかかる場合は6月から天引きされる(または納付書が送られてくる)。ただし、年収90万などのように収入がそれほど多くなければ住民税は引かれない。
※くわしくは下記で説明しています。


▶転職したとき住民税はいつから引かれるの?
6月から転職先でも住民税が天引きされる。ただし、転職先に給与所得者異動届出書を提出していれば、転職後からも給料から住民税が天引きされる。
※退職から転職するまで期間が空く場合を除く。くわしくは下記で説明しています。


▶給料から住民税が引かれないのはなぜ?
アルバイトで給料をもらっていても、その金額が多くなければ住民税は引かれない。前年1年間(1月~12月まで)にお金をたくさん稼いでいれば給料から天引きされる。
※くわしくは下記で説明しています。


この記事の目次
住民税はどんなときに払うの?

住民税前年1月~12月にお金を稼いでいた人が支払うことになります。
※所得が一定以下なら住民税は0円になります。
※住民税はお住まいの地域によって市民税、区民税、県民税または都民税などと呼ばれています。



したがって、現在お金を稼いでいても去年1月~12月までにお金を稼いでいなければ今年度は住民税が徴収されず、来年度から住民税が徴収されることになります。

収入が少なければ住民税が0円?

たとえばアルバイトなどをしておらず、お金を稼いでいなければ住民税は当然0円になります。
また、給与収入があっても金額がそれほど多くなければ住民税はかかりません。くわしくはページ下記で説明しているのでチェックしておきましょう。

毎月の住民税はいくら?早見表

独身・40歳未満・社会保険の加入者として算出。
※住民税は税金保険料シミュレーションで計算。

年収 住民税
100万円 0円
※所得が少ない場合、住民税が0円になります。くわしくは下記を参照。
103万円 年間5,000円
※学生で親などに扶養されており、社会保険料を支払っていない場合は約7,500円。
150万円 ひと月あたり約2,900円
(年間約3.5万)
200万円 ひと月あたり約5,300円
(年間約6.5万)
300万円 ひと月あたり約9,800円
(年間約11.9万)
400万円 ひと月あたり約14,800円
(年間約17.9万)

※住民税は税金保険料シミュレーションで計算。
※個人事業主については個人事業主の税金と手取りは?を参照。

では次に、新卒で入社した場合の住民税について下記で説明していきます。まだ住民税がかかっていない人はチェックしておきましょう。

新卒で就職したときは?入社後いつから給与天引きされる?
住民税が引かれるのは入社2年目の6月から

住民税はいつからいつまでの稼ぎにかかるのかというと、前年1月~12月までの所得にかかることになります。

したがって、入社1年目は住民税が課税されない場合がほとんどなので気にすることはありません。
※入社以前に収入が無ければ、初任給からいきなり住民税が課税されることはありません。

しかし、2年目から急に住民税が引かれるようになると何も知らない方はびっくりすると思います。もうすぐ入社2年目になる会社員などは住民税が引かれるタイミングを覚えておきましょう。

就職以前にお金を稼いでいない場合

就職するまでにアルバイト等をしておらず、お金を稼いでいなかった場合は就職2年目の6月から住民税が給料から天引きされることになります。したがって、就職して1年目の会社員は住民税が徴収されることはありません。
※住民税については住民税とは?計算方法などを参照。

就職以前にお金を稼いでいたら?
所得金額によっては新卒1年目から住民税がかかる


就職以前にアルバイトなどでお金を稼いでいて、前年1月~12月までに課税所得がある方は就職1年目の6月から住民税が給料から天引きされることになります。

※天引きされない場合は市区町村から送られてくる納付書を用いて住民税を納めることになります。
課税所得が0円でも、前年1月~12月までの合計所得が45万円を超えている場合は年間5,000円の住民税が課税されます(お住まいの地域によっては合計所得が42万円や38万円を超えたときから住民税5,000円がかかります)。
※住民税については住民税とは?計算方法などを参照。


転職して中途で入社したときはいつから引かれる?
転職しても届出を提出しておけば同じように給料から天引きされる

転職する場合は給与所得者異動届出書を提出すれば、転職先でも同じように給料から住民税が天引きされます。

届出書は、転職前の会社に作成してもらうことになります。届出書を転職先に提出し、転職先の会社が特別徴収をするための届出書を市区町村に提出することになります。
※転職先から給与所得者異動届出書を提出するように頼まれることもあります。手元に届出書が無い場合は、以前の会社に届出書の作成を依頼しましょう。
※退職時に転職先が決まっておらず、次の会社に入社するまで期間が空く場合は普通徴収(送られてくる納付書を用いて自分で住民税を納めること)になります。転職先に入社後、6月からは給料から天引きが始まります。


転職後に給料から引かれない場合は?

給与所得者異動届出書を提出しておらず、転職先で住民税が天引きされない方もいると思います。
給料明細を見ても住民税が給料から引かれていない場合は6月になるまで市区町村から郵送されてくる納付書を用いて住民税を納めることになるので安心してください。

※納付書のバーコードをスマホで読み取ってかんたんに支払いすることも可能です。
※6月以降は転職先で住民税が給料から天引きされることになります。
※納付書を用いて住民税を納める方法を普通徴収といいます。
ただし、退職月によっては5月分までの住民税が給料から一括徴収されることがあります。転職後にゆっくりするつもりの方はチェックしておきましょう。


アルバイトやパートをしているひとはいつから引かれる?
アルバイトなどの場合は6月から天引きされるまたは納付書を用いて納める

アルバイトやパート、フリーターなどの方も、たくさんお金を稼いでいれば住民税が課税されます。

アルバイトやパートをしている方の住民税の支払い方は「給料から天引き」または「納付書で納める」です。
※住民税をどうやって払うのか不安な方はチェックしておきましょう。

住民税がいつから給与天引きされるのか等をチェックしておきましょう。

アルバイトしたら住民税引かれる?

これからアルバイトやパートをする人または現在している人で、前年1月~12月までに課税所得があるひとは今年の6月から住民税が給料から天引きされることになります。
課税所得が0円でも、前年1月~12月までの合計所得が45万円(給料のみで年収100万)を超えている場合は年間5,000円の住民税が課税されます(お住まいの地域によっては合計所得が42万円や38万円を超えたときから住民税5,000円がかかります)。
※未成年の場合は1年間の給料が約204万円までは住民税がかかりません。

住民税については、住民税とは?計算方法などを参照。

天引きされていないひとは?
住民税がかかるときは納付書が届くので心配する必要はない

現在アルバイトやパートをしているが、会社から天引きされないという方は今年の6月にお住まいの市区町村から送られてくる納付書を用いて住民税を納めることになります
※あなたの収入情報は、勤務先が給与支払報告書を市区町村に提出して報告しているので、市区町村は報告書をもとにあなたにかかる住民税を計算しています。
※納付書のバーコードを読み取ればスマホアプリでも納税が簡単にできるので安心してください。

※あまりお金を稼いでいない場合(年収100万以下など)は住民税が0円になるので徴収されることはありません。「バイトしているのに住民税を払ってない…」と心配になる必要はありません。

たくさん給料があれば通常は天引き(特別徴収)されますが、下記の項目で説明するように勤務先から特別徴収されない場合もあります。

こんなページもみられています
住民税が給料から天引きされないときどうする?自分で支払う?


現在無職のひとは?住民税はかかる?
無職で収入が0円なら住民税はかからない

現在無職のひとの住民税について説明していきます。

かんたんに説明すると、昨年1月~12月までにお金を稼いでいなければ住民税は0円なので住民税を支払う必要はありません。

ただし、昨年1月~12月までに合計所得が45万円を超える場合(給料のみで年収100万円超える場合)、住民税が徴収されることになります。
※市区町村によっては合計所得が42万円または38万円を超えると住民税がかかる場合があります。

無職の方の住民税はいつから引かれる?

現在無職でも以前までお金を稼いでおり、前年1月~12月までに課税所得がある方は今年の6月から住民税を納めることになります。お住まいの市区町村から送られてくる納付書を用いて住民税を納めることになります。
課税所得が0円でも、前年1月~12月までの合計所得が45万円を超えている場合は年間5,000円の住民税が課税されます(お住まいの地域によっては合計所得が42万円や38万円を超えたときから住民税5,000円がかかります)。
※前年1月~12月までの合計所得が45万円以下なら住民税は0円になります(市区町村によっては42万円や38万円の場合があります)。
※無職の方が就職した場合は上記のように住民税が徴収されます。
ずっと無職の場合は?
住民税0円なので心配する必要はない

以前から無職で収入が0円の場合、住民税は課税されません(0円になる)。「住民税を払ってないけど大丈夫かな…」と心配になる必要はありません。
ただし、収入が0円である証明をしておかないと、非課税証明書が作成できなかったり、保険料の減額対象にならなかったり、住民税非課税世帯として認められないことがあります。したがって、収入が0円の場合はお住まいの地域の役所で住民税の申告をしておくことをオススメします。

※あなたが扶養親族である場合は住民税の申告は不要です。
※本人確認書類(マイナンバーカードなど)を持参して役所で住民税の申告手続きをしましょう。

退職した場合は?


現在無職で収入が0円でも、会社を退職したばかりの方などは住民税がそれなりの金額になることが多いので覚悟しておきましょう。去年1年間(1月~12月まで)にお金をたくさん稼いでいれば住民税もそれなりの金額になります。

※くわしくは退職後、無職でも住民税は高い?安くなるのは2年目から?で説明しています。無職2年目の金額についてもシミュレーションしています。


住民税が会社から引かれないときもある?
住民税が天引きされないときもある

通常、会社員やアルバイトの方などは給料から住民税が天引き(特別徴収)されます。

しかし、転職して手続きをしていない場合や給与が少ない場合などは特別徴収されないことがあります。
※従業員が2人以下など。くわしくは下記の特別徴収を参照。
※去年の合計所得が45万円以下(給料のみで年収100万円以下)なら0円になります。くわしくは住民税がかからない?を参照。

給料から住民税が引かれない方は市区町村から納付書が送られてくるので、納付書を用いて住民税を支払うことになります。

住民税が引かれなくても不安になる必要はありません。

会社から住民税が天引きされない、、、と不安になる必要はありません。
住民税が給料から引かれない方または給与明細に住民税が載っていないという方は市区町村から納付書が届きます(住民税が0円の場合は納付書は送られてきません)。もし、住民税がかかるはずなのに納付書が来ないときはお住まいの地域の役所に確認しましょう。

※住民税の納付書は6月頃に届きます。
※納付書のバーコードをスマホで読み取って支払いすることも可能。
※住民税が天引きされないケースについては下記の項目で説明しています。

では次に、住民税の支払い方法(特別徴収と普通徴収)について下記で説明していきます。


住民税は特別徴収または普通徴収で納める?
住民税の支払い方

住民税特別徴収または普通徴収で納めることになります。
※住民税はお住まいの地域によって市民税、区民税、県民税または都民税と呼ばれています。

かんたんに説明すると、特別徴収は給料から差し引かれる納税方法、普通徴収は自分で納付書を用いて納税する方法です。

それぞれ自分がどちらにあてはまっているかチェックしておきましょう。

住民税の支払い方法

普通徴収とは:6月頃に市区町村から送付される納付書を用いて年4回(6月・8月・10月・翌年1月)に分けて”自分で”納める方法です。個人事業主の方や自営業や無職の方は普通徴収になります。
※タレント、スポーツ選手、アーティスト、フリーランスなど。ほかにも65歳未満で公的年金を受け取っている方など。



特別徴収とは:事業主の方(給与支払者)が毎月給与から住民税を差し引き、従業員本人のかわりに納付する方法です。会社員やアルバイトなどの給与所得者の方がこれに当てはまります。
※会社員やアルバイトやパートなどの給与所得者は普通徴収を選択することはできません。
※ただし、下記にあてはまる場合や市区町村によっては特別徴収されない場合があります。

特別徴収(天引き)されない場合は?
給料が少ないなどの場合は引かれない
会社員やアルバイトなどの給与所得者は普通徴収を選択することはできません。
ただし、以下に該当する方は普通徴収にすることができます。
  • 事業所の総従業員数が2人以下
  • (他の区市町村を含む事業所全体の受給者の人数で、以下の1~5の理由に該当して普通徴収とする対象者を除いた従業員数)

  • 1.他の事業所で特別徴収
  • 2.給与が少なく税額が引けない
    ※合計所得が45万以下のとき住民税が0円になる場合があります。
  • 3.給与の支払が不定期
  • 4.事業専従者(個人事業主のみ対象)
  • 5.退職者又は退職予定者(5月末日まで)
    ※休職等により4月1日現在で給与の支払を受けていない方を含みます。

※参照:東京都主税局特別徴収Q&A

新卒や中途など自身の状況によって住民税を納める時期が異なることを覚えておきましょう。社会人1年目の方は2年目になって急に引かれてショックを受けないように心の準備をしておきましょう。
※会社から住民税が天引きされなくても市区町村から納付書が届くので安心してください(住民税が0円の場合は納付書は送られてきません)。