更新日:2024年6月9日
ここでは国民健康保険料などの計算に使われる所得割・均等割・平等割・資産割について説明しています。
この記事の目次
国民健康保険料は「所得割」・「均等割」・「平等割」・「資産割」の合計で1年間の保険料が決定されます。
※保険料は同世帯の加入者の合計額となります。くわしい計算過程はページ下記で説明しています。
また、後期高齢者医療制度の保険料は「所得割」・「均等割」の合計で1年間の保険料が決定されます。
国民健康保険料の計算式
※1年間の保険料は今年4月から翌年3月までの「1年度」の金額です。したがって、今年1年間(1月~12月まで)に支払った保険料とは異なります(昨年度の保険料の一部(1月~3月分)も含まれているため)。
※後期高齢者医療制度の保険料は「所得割」・「均等割」の合計で1年間の保険料が決定されます。
所得割とは?
前年(1月~12月まで)の所得に応じて計算される部分
国民健康保険については国民健康保険とは?を参照。
所得割 = (前年所得 – 43万円)※ × 所得割率
※前年所得から43万円を引いた金額が「所得割算定の対象額」になります。
※旧ただし書き所得のこと。くわしくは下記の「所得割の所得に含まれるもの」を参照。
去年(1月~12月まで)の所得が143万、所得割率が10%とすると、所得割は以下のようになります。
(
143万 – 43万) ×
10% =
10万円
※所得143万とは給与収入にすると約215万円のこと。
※老齢年金にすると253万円のこと(65歳未満の場合は227万円)。
※給与所得は給与所得シミュレーションで計算できます。
※年金についての所得は年金所得シミュレーションで計算できます。
※加入者が3人いる場合のくわしい計算過程はページ下記で説明しています。
所得割の所得に含まれるものは?
上記の所得に含まれるものとして、わかりやすく説明すると下記の所得が含まれます。
・事業所得、不動産、利子、配当、給与所得、短期譲渡、雑所得
・総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額の2分の1の金額
・山林所得
・申告分離課税の所得(株・土地・家の売却益など)
・退職金を年金で受け取る場合の雑所得
※くわしくは旧ただし書き所得またはお住まいの地域のHPでご確認ください。
※下記で計算例としてシミュレーションして説明しています。
※退職所得(一括で受けとる場合)や非課税所得(労災保険の給付(休業補償給付など)・雇用保険の失業等給付(基本手当など)・傷病手当金・児童手当・児童扶養手当・遺族年金・障害年金など)は所得割の所得に合計されません。
所得については所得とは?
※詳細はお住まいの市区町村HPでご確認ください。
出典:厚生労働省国民健康保険法施行令等の一部を改正する政令の施行について
均等割とは?
加入者の数に応じて計算される部分
均等割 = 均等割額 × 加入者数
※均等割額が3万、国保の加入者が3人なら9万円になります。
※2022年4月から未就学児の均等割が5割軽減されます。たとえば均等割が1人あたり4万円とすると、未就学児1人あたりの均等割は2万円になります。軽減対象の世帯の場合、均等割が軽減された金額からさらに5割軽減されます。くわしくはこちらのお知らせを参照。
平等割とは?
1世帯に定額でかかる部分
平等割 = 定額
※市区町村によっては平等割は設定されていません(つまり0円)。
資産割とは?
固定資産の価値に応じて計算される部分
資産割 = 固定資産税 × 資産割率
※市区町村によっては資産割は設定されていません(つまり0円)。
では次に、所得割や均等割を用いて1年間の国民健康保険料をシミュレーションして計算していきます。加入者が3人いる場合で説明していきます。
【例】国民健康保険料の計算(所得割などの計算)
加入者1人目
- 年齢:40歳未満
- 前年の所得:200万円
加入者2人目
- 年齢:40歳未満
- 前年の所得:100万円
所得割率と均等割額
とした場合、所得割は以下のようになります。
(
200万円 – 43万円) = 157万円
(
100万円 – 43万円) = 57万円
(
0円 – 43万円) = 0円
それぞれの加入者の上記金額を合計して、所得割率をかける
↓
(157万円 + 57万円 + 0円) ×
9.54% =
204,156円
※所得割の計算式については上記で説明しています。
均等割は以下のようになります。
52,000円 × 3人 = 156,000円
したがって、国民健康保険料は以下のようになります。
※平等割と資産割は0円とします。
204,156円 +
156,000円 =
360,156円
※厳密には、保険料の100円未満は切り捨てされます。
※国民健康保険については国民健康保険とは?を参照。
※1年間の保険料は今年4月から翌年3月までの金額です。したがって、今年1年間(1月~12月まで)に実際に支払った保険料とは異なります(去年の保険料の一部も含まれているため)。
下記のページで保険料がいくらになるかシミュレーションすることができます。お住まいの市区町村によって保険料率などが異なるので、自分が住んでいる地域の保険料が気になる方はシミュレーションしてみましょう。
国民健康保険の料金かんたんシミュレーション