▶親の介護保険料は増える?
親が65歳以上なら介護保険料が数万円ほど上がる場合がある。
※別居または世帯分離している場合を除く。
※くわしくは下記で説明しています。
▶親が国保の場合、保険料は増える?
あなたが世帯主であるとき、または、あなたが国民健康保険に加入している場合、親と同居して扶養すると親の保険料が上がる。
※くわしくは下記で説明しています。
▶社会保険の扶養に入れたら?
親が75未満なら、親の健康保険料は0円になる。
※くわしくは下記で説明しています。
親を扶養したときの税金についてはこちら↓
親を扶養に入れるといくら節税できる?扶養控除で5万安くなる?
親を扶養すれば税金が安くなるメリットを受けられます。また、社会保険の扶養にすれば保険料も安くなります。
しかし、親が住民税非課税世帯だったときはどのような影響があるのか。
あなたが住民税非課税世帯の親を扶養したとき、または、今まで住民税非課税世帯だったが自分が稼ぐようになり、親を扶養するようになった場合の影響についてチェックしておきましょう。
親を扶養するには手続きをして扶養控除の申請をする必要があります。扶養控除を適用させる方法はそれぞれ下記のようになっています。
※社会保険の扶養に入れる場合については下記で説明しています。
確定申告書での扶養控除の入力欄はこんな感じ↓
扶養控除の入力欄
確定申告のやりかたは以下のページで説明しています。
ネットで確定申告書を作成!確定申告のやり方
親が65歳以上の場合、親が支払う介護保険料は世帯収入によって増減することがあります。
たとえば親が住民税非課税世帯だったとき、親の介護保険料は月額約3,150円(年間約37,800円)になります。
※介護保険料は住んでいる市区町村によって異なります。
ですが、親と同居して扶養したことで、親が住民税非課税世帯でなくなった場合には親の介護保険料は月額約6,300円(年間約76,000円)になります。
※ただし、別居または世帯分離をしている親と生計を一にして扶養したとしても、同世帯でなければ介護保険料は安いままになります。
ちなみに、親が65歳未満であれば、介護保険料は医療保険料に含まれるので、下記の項目の「国民健康保険料が上がる?」と「社会保険の扶養に入れば保険料は増えない?」をチェックしておきましょう。
※介護保険料は市区町村によって異なります。保険料の計算方法については65歳以上の介護保険料はどれくらい?世帯の収入によって変わる?で説明しています。
では次に、親が国保に加入している場合は親の保険料が増えてしまうのかについて下記で説明していきます。国保のひとはチェックしておきましょう。
あなたが国民健康保険に加入している場合、親と同居して扶養すると親の保険料が上がる可能性があります。
※親も国民健康保険に加入している場合。
※別居または世帯分離している場合は保険料は上がりません。
なぜかというと、住民税非課税世帯じゃなくなることによって、減額の割合が下がるまたは減額の対象から外れてしまうからです。
※国民健康保険は世帯主と被保険者の所得が少なければ保険料が減額されます。
具体的には、親の保険料は1人あたり4万円~5万円くらい増える場合が多いでしょう。
では次に、親を社会保険の扶養にした場合について下記で説明していきます。会社員などの方はチェックしておきましょう。
あなたが勤務先の社会保険に加入しているなら、社会保険の扶養を利用することができます
※ここでいう社会保険とは、健康保険または共済組合のこと。
あなたの親を社会保険の扶養に入れれば親の健康保険料は0円になります。
親を社会保険の扶養に入れるときは、勤務先(事業主)に伝えて手続きをしてもらう必要があります。
その際に収入証明などを提出する必要があるので、下記の書類を用意しておきましょう。
※手続き後に親のぶんの保険証が配布されます。
1.続柄確認のための書類
被扶養者の戸籍謄(抄)本など
※被保険者との続柄が確認できるもの。くわしくは加入している保険組合のHPをご確認ください。
2.収入要件確認のための書類
▶年金受給中の場合は「年金額の改定通知書などの写し」
▶そのほかの収入がある、または収入がない場合は「課税(非課税)証明書」
▶退職したことにより収入要件を満たす場合は「退職証明書または雇用保険被保険者離職票の写し」
▶自営(農業等含む)による収入、不動産収入等がある場合「直近の確定申告書の写し」
▶障害年金や失業給付等の非課税所得がある場合は「受取金額のわかる通知書等のコピー」
【必要な場合】仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類
▶振込の場合「預金通帳等の写し」
▶送金の場合「現金書留の控え(写し)」
※親を社会保険の扶養に入れる条件などくわしくは親を社会保険の扶養に入れる5つの条件は?年金収入があるときは?を参照。年金を受給していない場合は社会保険の扶養とは?を参照。
また、社会保険の扶養に入れることができるのは親が75歳になるまでです。75歳になれば後期高齢者医療制度に移行するので、社会保険の扶養から抜けないといけません。
では次に、親が75歳以上の場合は保険料が増えるのかについて下記で説明していきます。親が高齢の方はチェックしておきましょう。
あなたが親と同居して扶養すると親の保険料(後期高齢者医療制度の金額)が上がる可能性があります。
※親が75歳以上の場合。
※別居または世帯分離している場合は保険料は上がりません。
具体的には、親の保険料は1人あたり3万円~4万円くらい増える場合が多いでしょう。
※たとえば同居する前の母親の後期高齢者医療制度の保険料が1年間で約1.5万円とすると、住民税非課税世帯じゃなくなることで親の保険料は約5万円になります。
※金額は都道府県によって変わります。
なぜかというと、減額の割合が下がるまたは減額の対象から外れてしまうからです。
▶税金はいくら安くなる?
両親を扶養することであなたの税金は約14.8万円安くなります。
※親が70歳以上なので同居老親等に該当する。
※親が障害を持っている場合はさらに約4万円安くなります。
※区分が特別障害の場合はもっと安くなります。
▶保険料はいくら増える?
親が世帯主なので、後期高齢者医療制度の保険料は増えない。
※後期高齢者医療制度は世帯主と被保険者の所得が少なければ保険料が減額されます。親が世帯主なので、被保険者も親1人だけなので、保険料は減額されます。
両親の介護保険料はそれぞれ約3.6万増えてしまいます(理由は上記)。
※介護保険料は市区町村によって変わります。
※別居または世帯分離している場合は増えません。
※金額は税金保険料シミュレーションで計算。
では次に、親を扶養したときの税金や保険料がどれくらい変わるかについて下記で説明していきます。親を扶養しようとしている方はチェックしておきましょう。
親を扶養すると税金が安くなるメリットがありますが、場合によっては保険料が増えるほうが上回ってしまいます。
下記でシミュレーションしているので参考にしてみてください。
▶税金はいくら安くなる?
両親を扶養することであなたの税金は約10.4万円安くなります。
※親が障害を持っている場合はさらに約4万円安くなります。
※区分が特別障害の場合はもっと安くなります。
▶保険料はいくら増える?
親はあなたの社会保険の扶養に入ることができるので、親の健康保険料は0円になります(理由は上記)。
住民税非課税世帯じゃなくなるので、両親の介護保険料はそれぞれ約3.6万増えてしまいます(理由は上記)。
※介護保険料は市区町村によって変わります。
※金額は税金保険料シミュレーションで計算。
▶税金はいくら安くなる?
両親を扶養することであなたの税金は約14万円安くなります。
※親が70歳以上なので同居老親等に該当する。
※親が障害を持っている場合はさらに約4万円安くなります。
※区分が特別障害の場合はもっと安くなります。
▶保険料はいくら増える?
親はあなたの社会保険の扶養に入ることができるので、親の健康保険料は0円になります(理由は上記)。
住民税非課税世帯じゃなくなるので、両親の介護保険料はそれぞれ約3.6万増えてしまいます(理由は上記)。
※介護保険料は市区町村によって変わります。
※金額は税金保険料シミュレーションで計算。
▶税金はいくら安くなる?
両親を扶養することであなたの税金は約10.4万円安くなります。
※親が障害を持っている場合はさらに約4万円安くなります。
※区分が特別障害の場合はもっと安くなります。
▶保険料はいくら増える?
親はあなたの社会保険の扶養に入ることができるので、親の健康保険料は0円になります(理由は上記)。
また、親の介護保険料も0円になります。ただし、下記のように上乗せされることもあります。
▼注意ポイント:介護保険料が上乗せされる?
※金額は税金保険料シミュレーションで計算。
では次に、親が介護サービスを受けている場合のポイントについて下記で説明していきます。デメリットに注意しないといけません。
親が介護サービスを利用している場合、親と同居して住民税非課税世帯じゃなくなると、介護サービスの費用が増えてしまいます。
たとえば、養護老人ホームなどの福祉施設に入居したときには食費や居住費が増えてしまいます。
くわしくは下記の記事で説明していますが、多くの場合は4万円以上増えてしまうでしょう。
※ただし、別居または世帯分離をしている親と生計を一にして扶養したとしても、同世帯でなければ負担額は安いままになります。
ここまで説明したように、住民税非課税世帯だった親を扶養するときは保険料が増えたりすることがあります。
親を扶養することであなたの税金は安くなりますが、ひとによっては保険料の増額のほうが上回ってしまう場合があることを覚えておきましょう。
とはいえ、親と同居しないといけない状況にあるなら、メリットやデメリットについては深く考える必要はありません。親を扶養したときに「扶養控除」の申請を忘れないようにすればOKです。