▶3つ掛け持ちしている場合の税金はどうやって計算するの?
バイト3つ掛け持ちなどをしている場合、給料を合計して税金を計算しなければいけない。複数掛け持ちの場合は税金が引かれ過ぎてることが多い。
※源泉徴収で所得税が引かれるため。くわしくは下記で説明しています。
▶給与を3箇所から受け取ったら確定申告は必要?
稼いだ金額によっては確定申告をしなくてもいいときがある。ただし、税金が戻ってくる場合が多いので申告したほうがいい。
※くわしくは下記で説明しています。
▶トリプルワークで社会保険に加入しないことはある?
トリプルワークでアルバイトの掛け持ちなどをしている場合、社会保険は条件を満たしている勤務先で加入する。したがって、三個掛け持ちしていても全部の勤務先で社会保険に加入しない場合もある。
※くわしくは下記で説明しています。
3ヶ所でパートやアルバイトをする場合、税金などの扱いが少し複雑になります。
アルバイトをしようと考えている個人事業主は税金や社会保険、確定申告についてしっかりチェックしておきましょう。
気をつけないと脱税等で罰則が与えられてしまう可能性があるのでチェックしておくことをオススメします。
▶トリプルワークの社会保険
条件を満たさなければ加入しない。3つの勤務先の給料を合計して判定するわけではない。
※くわしくは下記で説明しています。
▶トリプルワークの確定申告
確定申告をすれば税金が戻ってくることが多い。
※くわしくは下記で説明しています。
3つの職場でアルバイトやパートなどをかけもちして働いている場合、税金の計算が少しだけ複雑です。
たとえば3つの職場で給料が各80万円ずつだったとき、それぞれの給料からそれぞれの税金を計算するわけではなく、3つの給料を足し合わせた金額をもとに税金の計算をすることになります。
アルバイトの掛け持ちなどをしているひとは、ほかの勤務先でも給料から税金が引かれている場合が多いでしょう。
※勤務先は源泉徴収をしなければいけないため。
源泉徴収として引かれる税金額は「おおざっぱ」な金額のため、ひとによっては通常よりも多く引かれ過ぎている場合があります。
※たとえば掛け持ち先の月収が15万だと、本業の勤務先とは別に毎月8,700円の税金が引かれます。月収10万なら毎月3,700円、月収20万なら毎月約2万円引かれます。
※出典:国税庁源泉徴収税額表
このようなときは確定申告をして精算すればお金が返ってくるので安心してください。
※多い場合は数万~10万円ほど戻ってくる場合があります。なのでバイトの掛け持ちをしている方は確定申告することをオススメします(納税額が足りない場合は徴収されます)。確定申告についてはページ下記で説明しています。
3つのアルバイト先から給与収入をもらっている場合、3つの給料を合計してから税金を計算することになります。
アルバイトをかけもちしているときの税金は以下のように計算していきます。
1つめの勤務先の給料が1年間で80万円、2つめと3つめの給料が70万円だったとしてシミュレーションしています。
たとえば1つめの勤務先の給料が1年間で80万円、2つめと3つめの給料が70万円だったとします。この場合それぞれの給料を足し合わせると220万円となります。この金額をもとに税金を計算することになります。
①まず給与所得を計算する
3つの勤務先の給与収入の合計が220万円とすると、給与所得は、
となります。他に所得がないので146万円が総所得金額となります。
②次に課税所得を計算する
総所得金額がわかったので、次に課税所得を計算します。所得控除を78万円とすると課税所得は、
となります。
③次に所得税の計算
課税所得がわかったので所得税を計算します。所得税は
となります。課税所得195万円以下は税率が5%なので、所得税は、
となります。以上のように、複数の勤務先から給料をもらっている場合はそれぞれを合計してから税金を計算することになります。
※ちなみに上記の場合、住民税は約70,000円になります。
3つの勤務先で働いている方の社会保険については、加入条件を満たしている職場の社会保険に加入することになります。
たとえば他の勤務先で条件を満たしていなければ、片方だけ(本業の勤務先だけ)で社会保険に加入することになります。
※社会保険の加入は各事業所単位で判断を行うことになっています。それぞれの職場の賃金や労働時間を合計することはしません。
※参照:日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集
※どの勤務先でも社会保険に入りたくない方は下記の記事をチェック。
バイト先の社会保険に入りたくない。デメリットは?
つまり、どの勤務先でも加入条件を満たしていなければ社会保険に加入する必要はありません。
たとえば、3つの職場のいずれも1週間の勤務時間が20時間未満であったり、3つの職場のいずれも月収が88,000円未満である場合には、どの勤務先も社会保険の加入条件を満たしません。
※特定適用事業所の場合。
つまり、どの勤務先でも働く時間などが少なければ、すべての勤務先で社会保険に加入しないことになります。くわしい加入条件は下記の記事で説明しています。
たとえば1つめの勤務先の年収が150万円、もう2つの勤務先の年収が20万円としたとき、年収150万円の勤務先で社会保険に加入することになります。
※1つの職場でのみ社会保険の加入条件を満たしている場合。
この場合、年収150万円のほうの月収※をもとに社会保険料が決まります。
※標準報酬月額。
1つの勤務先だけで社会保険に加入している場合は、3つの給料の合計額をもとに社会保険料が決まるわけではありません。
※3つの給料の合計で保険料が決まってしまったら、社会保険料の半分を負担することになる会社側が損してしまいます。
※もし、それぞれの職場で社会保険の加入条件を満たしており、3つの勤務先で社会保険に加入した場合は、それぞれの収入をもとに3つの勤務先で社会保険料を按分することになります。
3つの職場の合計年収が130万円未満であり、あなたに配偶者がおり、配偶者が会社の社会保険(健康保険および厚生年金)に加入していれば、あなたは配偶者の社会保険の扶養に入ることができます。
配偶者の社会保険の扶養に入れば、あなた自身が支払う社会保険料は0円になります(つまり、国民年金や健康保険料が0円になります)。
ただし、あなたの1年間の収入が130万円以上になると社会保険の扶養から外れるので、あなた自身で国民年金と国保に加入して保険料を支払うことになります。
3つの職場で社会保険の加入条件を満たしておらず、配偶者が国民年金と国保に加入している場合、あなた自身で国民年金と国保に加入して保険料を支払うことになります(勤務先の社会保険に加入した場合は社会保険料を支払うことになります)。
3つの職場で社会保険の加入条件を満たしておらず、あなたに配偶者がいない場合、あなた自身で国民年金と国保に加入して保険料を支払うことになります(勤務先の社会保険に加入した場合は社会保険料を支払うことになります)。
また、あなたの親族が会社の社会保険(健康保険および厚生年金)に加入していれば、あなたは親族の社会保険の扶養に入ることができます(1年間の合計収入が130万未満などの条件あり。参照:社会保険の扶養とは?)。そうでなければあなた自身で国民年金と国保に加入して保険料を支払うことになります(勤務先の社会保険に加入した場合は社会保険料を支払うことになります)。
確定申告とは、1年間の稼ぎを申告して税金を納める手続きのことです。
※申告のやりかたはページ下記で説明しています。
アルバイトやパートをかけもちしている場合、基本的には確定申告が必要になります。
※片方の年末調整だけでは正確な税額が計算されないため、確定申告をして正確な税金を納めなければなりません。
ただし、下記で説明するように確定申告をしなくてもいいときがあるので覚えておきましょう。
※確定申告をすれば税金が戻ってくる場合があるので、なるべく確定申告をすることをオススメします(くわしくは上記で説明しています)。
※収入が給料だけの場合。
※出典:国税庁給与所得者で確定申告が必要な人
複数の勤務先で給料をもらっており、主な勤務先でだけ住民税が天引きされている場合、その他の勤務先の給料についても、市区町村から主な勤務先に情報が伝達されます。
※その他の勤務先の給料の情報は給与支払報告書として市区町村に送られています。そして、市区町村はダブルワークしたぶんの住民税もまとめて徴収するためにその情報を主な勤務先に伝達します。
したがって、その他の勤務先の給料分の住民税が、翌年の住民税に反映されることになります。つまり、確定申告をしなくてもほかの勤務先で働いたぶんの住民税が主な勤務先で反映されて天引きされることになります。
※住民税天引きのお知らせに記載されます(「主たる給与以外の合算所得区分」の「給与欄」に「*」マークが記載されます。)。
※地方税法第321条の3
※ただし、確定申告をすれば払い過ぎた税金が戻ってくる場合があるので、確定申告をすることをオススメします(くわしくは上記で説明しています)。確定申告のやり方は下記で説明しています。
なので、調べられてしまえばアルバイトの掛け持ちをしていることが高確率でバレることになります。副業などが禁止されている会社に勤めている方でバイトを掛け持ちしようと思っている場合は注意しましょう。
今はネットでかんたんに確定申告書を作成できます。作成した申告書を郵送して確定申告を終わらせましょう。
アルバイトやパートをかけもちしている場合の確定申告のやりかたは以下のページで説明しています。
源泉徴収票があれば申告書はかんたんに作成できるので安心してください。
もし、確定申告をするのが不安な方は試しにテキトーに金額を入力して申告書のつくりかたを練習してみてもいいかもしれません。
※税務署に郵送する申告書に正しい金額を入力すれば問題ないので、ためしに申告書を何枚も作ってみましょう。
アルバイトやパートをかけもちしている場合、年末調整は主に勤めている職場でのみ行うことになります。すべての職場で行わないように気をつけましょう。
すべての職場でも年末調整を行ってしまうと所得控除が重複して適用されてしまうため、本来の税額よりも少なくなってしまう場合があります。
ただし、年末調整を3か所の勤務先に提出してしまったとしても確定申告をすれば問題ありません。
ちなみに、アルバイトやパートをかけもちしている場合、上記で説明しているように基本的に確定申告が必要になります。
※確定申告をすれば払い過ぎた税金が戻ってくる場合があるので、確定申告をすることをオススメします(なぜ税金が戻ってくるかは上記で説明しています)。
住民税は原則、主な勤務先(給与を多くもらっている職場)で特別徴収されることになっています。
※特別調整されない場合は、お住まいの市区町村から納付書が送られてくれるので納付書を用いて納めることになります(納付書のバーコードをアプリで読み取って支払うことも可能です)。
雇用保険は、会社などに雇用されている人(アルバイトなど含む)が加入する保険です。
複数の勤務先で働いている場合は主に賃金をもらっている会社でのみ加入することになります。
くわしい雇用保険については雇用保険ってなに?を参照。
下記の雇用保険の加入条件についてチェックしておきましょう。
複数の勤務先でそれぞれ雇用保険の加入条件を満たしている場合には、主に賃金をもらっている会社でのみ加入することになります。
複数の勤務先で雇用保険に加入することは出来ないので注意しましょう。
※ただし令和4年1月から、複数の勤務先で働く65歳以上の方が、そのうち2つの勤務先の合計勤務時間が20時間以上になる場合、特例で雇用保険に加入することができます。くわしくはこちらのお知らせで説明しています。
※昼間学生などは適用除外となり、雇用保険には加入できません。
※くわしい雇用保険については雇用保険ってなに?を参照。
ここまで説明したように、アルバイトやパートなどを2つ以上の職場でかけもちしている場合、それぞれの給料を合計してから税金の計算をすることになります。
※したがって、それぞれの勤務先で年末調整をしてしまうと納税額が足りなくなってしまう可能性があるので注意しましょう。
こんなページも見られています
勤務先が2ヶ所以上ある場合の確定申告のやりかた