▶いくらまで社会保険の扶養でいられる?
仮想通貨などの収入の合計が130万円未満なら扶養でいられる。
※くわしくは下記で説明しています。
▶仮想通貨で稼ぐ主婦はいくらから税金がかかるの?
利益が仮想通貨(雑所得)だけの場合、所得が45万円を超えると住民税がかかりはじめ、48万円を超えると所得がかかり始める。
※市区町村によっては42万や38万を超えると住民税がかかる場合があります。くわしくは下記で説明しています。
▶確定申告はしなくていい?
利益が仮想通貨(雑所得)だけの場合、48万を超えたら確定申告が必要。また、給与所得者の場合は雑所得が20万以下なら確定申告しなくてもいい。ただし、確定申告をしない場合は住民税の申告が必要。
※くわしくは下記で説明しています。
パートをしている主婦や専業主夫などのように、配偶者に扶養されている方がビットコインなどの仮想通貨でお金を稼いでいる場合に気になるのが社会保険の扶養と配偶者控除(税金が安くなる制度)です。
また、仮想通貨の利益がたくさんあれば、扶養されている主婦だとしても税金がかかります。
ビットコインなどの仮想通貨でお金を稼ごうとしている方は「自分にかかる税金」と「扶養を外れたときの負担」についてチェックしておきましょう。
▶仮想通貨と税金
合計所得が95万~133万を超えれば夫の税金が増える。
※くわしくは下記で説明しています。
※増加する税金額は下記で説明。
▶仮想通貨と確定申告
仮想通貨を売却して利益を確定すれば雑所得が発生するので、基本的には申告が必要。ただし、所得が48万以下なら確定申告は不要。
※くわしくは下記で説明しています。
あなたが配偶者に扶養されており、あなたの収入が1年間で130万以上※になると社会保険の扶養から外れてしまいます。
※あなたが社会保険の扶養に入っている場合。
※ビットコインなどの仮想通貨や給料等の収入の合計が130万円以上。ただし、定期的な収入(頻繁な売買やアルバイトの給料など)じゃなければ扶養から外れない場合があります。くわしくは加入している保険組合HPにてご確認ください。
社会保険の扶養から外れると、自分で国民健康保険および国民年金に加入して保険料を支払うことになります。
保険料は安い金額ではないので、自分で支払うことになる場合は覚悟しましょう。以下で保険料のシミュレーションをしています。
仮想通貨の利益が130万円のとき
たとえば仮想通貨の利益(雑所得)が1年間で130万円でそれ以外に収入がない場合、国民健康保険料は年間で約16.6万円になります。
また、あなたが20歳以上なら国民年金の保険料も支払うことになります。国民年金の保険料は年間約20万円です(配偶者の所得が少なければ半額免除が受けられる場合があります。半額免除なら約10万円に減額されます)。
※経費は0円としています。
※国民健康保険については国民健康保険とは?を参照。
※保険料は国民健康保険料シミュレーションで計算。
※東京都世田谷区、年齢39歳以下、加入者1人としてシミュレーションしています。
では次に、夫の税金が増え始める合計所得95万について下記で説明していきます。95万を超えると夫の税金が増え始めます。
あなたが配偶者(たとえば夫)に扶養されている場合、あなたの合計所得金額が1年間で95万円を超えると配偶者の税金の負担が増え始めます。
※雑所得のほかにパート収入などがある場合については下記で説明しているのでチェックしておきましょう。
たとえばあなたが1年間(1月~12月まで)にビットコインで稼いだ金額が95万円とすると、
となります。仮想通貨以外に収入が無いとすると、あなたの合計所得金額は
となります。この場合、1年間(1月~12月まで)の合計所得が95万以下なのであなたの配偶者の税金の負担は増えません。つまり、ほかに収入がなければ95万までなら仮想通貨でお金を稼いだとしても配偶者の税金の負担は増えないということです。
※夫に扶養されている妻の合計所得が95万円以下なら、夫の税金は増えません。
しかし、仮想通貨のほかにもパート収入もある場合も多いでしょう。では、給料ももらっている場合について下記で説明していきます。
たとえば仮想通貨のほかにパートやアルバイトもしており、1年間(1月~12月まで)の給料が90万円、仮想通貨の稼ぎが65万円(雑所得)の場合、あなたの配偶者の税金はどうなるのか。
まず給与所得を計算
1年間の給料が90万円なので、給与所得は以下のようになります。
次に雑所得を計算
つづいて、仮想通貨の稼ぎが65万円なので雑所得は以下のようになります。
次に所得を合計する
あなたの所得は上記2つのほかにないので、合計所得金額は、
となります。この場合、1年間(1月~12月まで)の合計所得が95万円を超えてしまっているので、あなたの配偶者の税金の負担は増えてしまいます。
※合計所得金額100万円だと、配偶者の税金は約1,000円~4,000円増えます。くわしくは下記の表で説明しています。
では次に、配偶者の税金がどれくらい増えるのかについて下記で説明していきます。年収別にシミュレーションして一覧表にまとめているのでチェックしておきましょう。
1年間の合計所得が95万円を超えると、配偶者(たとえば夫)の税金の負担が徐々に増えていきます。
夫の年収にもよりますが、夫の税金の負担は年間約0.1~11万円増す場合が多いでしょう。
※夫の年収を250万円~900万円とした場合。
以下に年収別に税金額のシミュレーションをしているのでどれくらい高くなるのかチェックしてみてください。
たとえば、年収250万円~900万円の40歳以下社会保険加入の夫が配偶者特別控除を利用していた場合。妻の合計所得が増えるごとに徐々に税金の負担が増えていきます。
妻の合計所得金額 | 夫の年収250~400万円のとき | 夫の年収500~600万円のとき | 夫の年収700~900万円のとき |
---|---|---|---|
95万円以下 | 税金は0円高くなります。 所得税0円 住民税0円 |
税金は0円高くなります。 所得税0円 住民税0円 |
税金は0円高くなります。 所得税0円 住民税0円 |
100万円以下 | 税金は約1,000円高くなります。 所得税1,000円 住民税0円 |
税金は約2,000円高くなります。 所得税2,000円 住民税0円 |
税金は約4,000円高くなります。 所得税4,000円 住民税0円 |
105万円以下 | 税金は約6,000円高くなります。 所得税3,500円 住民税2,000円 |
税金は約9,000円高くなります。 所得税7,000円 住民税2,000円 |
税金は約16,000円高くなります。 所得税14,000円 住民税2,000円 |
110万円以下 | 税金は約13,000円高くなります。 所得税6,000円 住民税7,000円 |
税金は約19,000円高くなります。 所得税12,000円 住民税7,000円 |
税金は約31,000円高くなります。 所得税24,000円 住民税7,000円 |
115万円以下 | 税金は約21,000円高くなります。 所得税8,500円 住民税12,000円 |
税金は約29,000円高くなります。 所得税17,000円 住民税12,000円 |
税金は約46,000円高くなります。 所得税34,000円 住民税12,000円 |
---|---|---|---|
120万円以下 | 税金は約28,000円高くなります。 所得税11,000円 住民税17,000円 |
税金は約39,000円高くなります。 所得税22,000円 住民税17,000円 |
税金は約61,000円高くなります。 所得税44,000円 住民税17,000円 |
125万円以下 | 税金は約36,000円高くなります。 所得税13,500円 住民税22,000円 |
税金は約49,000円高くなります。 所得税27,000円 住民税22,000円 |
税金は約76,000円高くなります。 所得税54,000円 住民税22,000円 |
130万円以下 | 税金は約43,000円高くなります。 所得税16,000円 住民税27,000円 |
税金は約59,000円高くなります。 所得税32,000円 住民税27,000円 |
税金は約81,000円高くなります。 所得税64,000円 住民税27,000円 |
133万円以下 | 税金は約48,000円高くなります。 所得税17,500円 住民税30,000円 |
税金は約65,000円高くなります。 所得税35,000円 住民税30,000円 |
税金は約100,000円高くなります。 所得税70,000円 住民税30,000円 |
133万円超え | 税金は約52,000円高くなります。 所得税19,000円 住民税33,000円 |
税金は約71,000円高くなります。 所得税38,000円 住民税33,000円 |
税金は約109,000円高くなります。 所得税76,000円 住民税33,000円 |
※上記は1年間の金額。
※妻の合計所得が133万円を超えると控除の対象外となります。夫の合計所得金額が1,000万円を超えていれば、配偶者特別控除を利用することができません。くわしくは年収1,195万円を超えると配偶者特別控除が使えない?で説明しています。
たとえばあなたが1年間に95万超え~100万以下の雑所得があるとすると、夫の税金は年間約1,000円~4,000円増えることになります。
ですが、夫の税金の増加よりも妻の手取りが増える金額のほうが上回るので損することはありません(世帯の手取りは増えます)。
※95万から数百円超えたくらいだと数百~数千円損してしまいます。
※16歳未満の子供を扶養している場合、年収が多くなければ住民税が0円(非課税)になるので、所得が100万くらいの方は下記の記事をチェックしておきましょう。
16歳未満の子供を扶養すると住民税が0円になる?共働きの場合
ビットコインなどの仮想通貨の利益があるときは確定申告をして所得の申告をする必要があります。
※ただし、合計所得が48万円以下なら申告しても所得税は0円になります。
ですが、あなたがパートやアルバイトをしながら仮想通貨の利益もある場合、仮想通貨の利益が1年間で20万円以下なら確定申告をしなくてもいい決まりになっています。
※ただし、確定申告をしない場合は住民税の申告が必要になります。
くわしくは下記で説明していきます。
雑所得が1年間(1月~12月まで)で48万円以下なら所得税が0円となります。
※基礎控除によって所得税が0円になるため。
雑所得が48万円を超えた場合には確定申告をしなくてはいけません。
※出典:国税庁確定申告が必要な方
※ただし、無職の方は所得が0円でも確定申告をすることをオススメします。本人の所得が0円であることを役所で確認できれば保険料などが減額されるので、確定申告をして自分の所得を申告しておきましょう。確定申告のやり方は下記で説明しています。
※確定申告をしない場合、48万円以下でも住民税の申告が必要になります(確定申告をする場合は住民税の申告をする必要はありません)。
あなたがパートやアルバイトなどで給料をもらっている場合、ビットコインなどの仮想通貨の利益があれば税金が加算されますが、給料をもらっているひとは雑所得(仮想通貨の利益)が1年間(1月~12月まで)で20万円以下ならば確定申告をしなくてもいい決まりになっています。
※給与所得と雑所得のほかに所得が無い場合。
※経費は0円としています。雑所得については雑所得とは?を参照。
※確定申告をする場合は20万円以下だとしても仮想通貨の利益を申告しなければいけません。
※出典:国税庁確定申告を要しない場合の意義
確定申告をしない場合、住民税の申告が必要になります。確定申告をした場合は住民税の申告は必要ありません。確定申告はネットで簡単に作成できるのでオススメです。申告しなくてバレないか不安になるよりも、サッと申告を終わらせてしましょう。確定申告のやり方は下記で説明しています。
※出典:国税庁給与所得者で確定申告が必要な人
では次に、仮想通貨で収入があるときの確定申告のやり方について下記で説明していきます。
今はネットでかんたんに確定申告書が作成できます。作成した申告書を税務署に郵送することで確定申告が完了します。
確定申告をする期間は決まっており、今年1年間(1月~12月まで)の収入について確定申告をする場合は翌年の2月16日~3月15日までに申告をしましょう。
※期限に遅れても申告できますが、税金が少し加算されるなどの罰則が与えられる場合があるのでなるべく期間内に申告することを心がけましょう。
▶確定申告のながれ
STEP➊身分証明書など必要なものを用意する
※パート収入がある場合は源泉徴収票も用意しましょう。給与を入力するときに源泉徴収票の内容を見ながら入力することになります。仮想通貨のほかにもパート収入もある場合は、確定申告書にそれぞれの収入を入力することになります。
↓
STEP➋確定申告書を作成する
↓
STEP➌確定申告書を郵送する(税金を支払うまたは払い戻される)
くわしい手順は下記の記事で説明しています。
雑所得があるときの確定申告のやり方・手順
申告書が作成できるか不安な方は、まずはテキトーに金額を入力して確定申告書をためしに作成してみてもいいかもしれません。
※税務署に郵送する申告書に正しい金額を入力すれば問題ないので、ためしに申告書を何枚も作ってみましょう。意外にかんたんなので安心してください。
ビットコインなどの仮想通貨でお金を稼いだときにかかる税金をシミュレーションした結果を以下にまとめました。
稼いだ金額がそこまで高額でなければ、税金はそんなにかかることはありません。
※1億円稼いだとしたら、税金だけで利益が半分無くなります。
あなたが夫または妻に扶養されており、仮想通貨でお金を稼ごうとしている場合はチェックしておきましょう。
利益が仮想通貨(雑所得)だけの場合、45万円以下なら税金は0円になります。ただし、市区町村によっては38万円を超えると住民税がかかる場合があります。
※くわしくは住民税が0円になるときを参照。
※45万円を超えると住民税がかかり始め、48万円を超えると所得税がかかり始めます。
仮想通貨による利益 (雑所得) |
あなたにかかる税金 (所得税と住民税の合計) |
---|---|
45万円 | 0円 ※市区町村によっては所得が42万や38万を超えると住民税が課税される場合があります。くわしくは住民税が0円になるときを参照。 |
100万円 | 約3.4万円 |
200万円 | 約16.9万円 |
300万円 | 約30.3万円 |
400万円 | 約48.2万円 |
500万円 | 約70.4万円 |
税率が50%かかるわけではない?
上記表のように、稼いだ金額がそこまで多くなければ税金はそこまでかかりません。稼いだ金額が数百万円程度なら税率が50%かかるわけではないので安心してください。
手取りや保険料なども知りたい方は以下のページをチェック
仮想通貨の税金はどれくらい?利益10~1,000万円でいくら?
▶配偶者の税金は増えちゃうの?
仮想通貨の利益が95万円を超えると配偶者の税金の負担が増えはじめる
※くわしくは上記で説明しています。
▶アルバイトもしている人は?
仮想通貨以外にアルバイトなどの収入もある場合は所得を合算して95万円を超えると配偶者の税金の負担が増えはじめる
※くわしくは上記で説明しています。
▶配偶者の税金はどれくらい増えるの?
配偶者の税金は約0.1~11万円増える。
※くわしくは上記で説明しています。
▶確定申告はしなきゃいけないの?
基本的に確定申告が必要。給与収入があり、仮想通貨の利益が20万円以下なら確定申告は必要ないが、住民税の申告が必要になる。
※くわしくは上記で説明しています。
ここまで説明したように、配偶者に扶養されている方がビットコインなどの仮想通貨でお金を稼いだときは税金や扶養に注意しましょう。