▶国民年金と厚生年金どちらが良いの?
老後や障害・死亡は誰もが抱えるリスクです。日本の年金制度はこれら3つのリスクに対応してくれる制度です。
※➊老後のリスク、➋障害のリスク、➌死亡のリスク。これらのリスクに見舞われたひとを国民みんなで支えようという考えのもと作られたのが公的年金制度です。
そして、年金制度は「国民年金と厚生年金」の2つに分けられます。
※ほかにも私的年金(個人年金やiDeCoなど)がありますが、ここでは公的年金(国が運営する年金)である国民年金と厚生年金について説明していきます。
すべての国民は必ず年金に関わることになるので、2つの年金は何が違うのか知っておくことをオススメします。
それでは国民年金と厚生年金の違いについて下記で説明していきます。
日本の年金制度は大きく分けると「国民年金と厚生年金」の2種類の年金でつくられています。
※国民年金と厚生年金は「公的年金」とよばれています。
※iDeCoや民間が運営している年金は「私的年金」といいます。
公務員または会社員や長時間働くアルバイトの方は厚生年金に加入します。それ以外の20歳~59歳のひとは国民年金に加入することになります。
※会社員などをやめれば厚生年金から抜けて国民年金に加入します。再就職すればまた厚生年金に加入します。
もうすぐ20歳になる方は自分がどっちの年金に加入するのか把握できるようにしておきましょう。
※ちなみに、学生だとしても20歳になればかならず年金に加入することになります。
会社員などが加入する「厚生年金」には国民年金も含まれています。したがって、厚生年金に加入すれば国民年金にも加入していることになります。
※厚生年金に加入していれば、高齢者になったときに国民年金から老後の年金がもらえ、さらに厚生年金からの年金が上乗せされます。
※年金制度について知りたい方はこちら↓
では次に、年金がわたしたちにどんなことをしてくれるのか下記で説明していきます。年金には必ず関わることになるのでザッと把握しておくことをオススメします。
国民年金も厚生年金も役割はどちらも一緒です。老後にお金を支給してくれるだけでなく、事故等で障害が残ったときや亡くなったときにも「年金」としてお金を支給してくれます。
つまり、年金は現役世代の保険の役割を担っているということです。
年金は老後のお金だけじゃなく、以下の3つのリスクに対応してくれているということを覚えておきましょう。
年金はこんなことをしてくれる。3つのリスクに対応
老後の生活や障害・死亡は誰もが抱えるリスクです。日本の年金制度はこれらの3つのリスクに対応してくれるものです。
年金は老後にお金を支給してくれるだけの保険ではなく、障害のリスクや死亡のリスクにも対応していることをしっかり覚えておきましょう。
①老後にお金をくれる
②障害を負ったときにお金をくれる
③亡くなったときに遺族にお金をくれる
老齢年金については、老齢年金とは?ページを参照。
障害年金については、障害年金とは?ページを参照。
遺族年金については、遺族年金とは?ページを参照。
では次に、年金に加入したときの保険料について下記で説明していきます。保険料は安い金額ではないので、今のうちに覚悟しておきましょう。
加入したときの保険料は国民年金と厚生年金とで異なります。
国民年金は定額ですが、厚生年金についてはもらっている給料の多さによって保険料も増額します。
お金がなくて年金を払うのがむずかしいときには年金を免除してくれる制度を利用することができます。
もしも、お金がなくて支払えないのに免除申請をしないで滞納しているといろいろなデメリットを受けることになるので、お金がないときは必ず申請しましょう。
※くわしくは年金を払わないで未納にしているとデメリットがある?を参照。
ただし、この制度を利用するには「あまりお金を稼いでいないこと」が条件です。年金を支払うのがむずかしい方はぜひ利用してください。くわしくはこちら↓
次に、保険料は何歳まで支払うことになるのか下記で説明していきます。亡くなるまでずっと支払うわけではないので勘違いしないようにしましょう。
20歳になって年金に加入すれば保険料を毎月支払うことになりますが、国民年金と厚生年金とで支払う期間が異なります。
国民年金は60歳までですが、60歳を超えても会社などで働いている場合は厚生年金に加入して保険料を支払うことになります。
次に、老後の年金は何歳からもらえるのか下記で説明していきます。年金がもらえる年齢について把握しておきましょう。
老後の年金は65歳になると給付されることになります。
ただし、もらう年齢を早くしたり遅くしたりすることもできますがそれぞれメリット・デメリットがあるので注意しましょう。
老後にもらえる年金額は国民年金と厚生年金とで異なります。
国民年金は年間約81万円、厚生年金は加入期間や支払った保険料によって変わります。
また、障害年金や遺族年金については以下のとおりです。
では次に、年金の扶養について下記で説明していきます。厚生年金には扶養のシステムがあります。
厚生年金の加入者の扶養に入った配偶者(妻または夫)にはメリットがあります。
たとえば夫が厚生年金の加入者であり、妻が夫の扶養に入ると、妻が支払う国民年金の保険料が0円になります。
ただし、扶養に入るには1年間の収入が130万円未満などの条件があります。
では次に、年金が上乗せされる加給年金について下記で説明していきます。条件にあてはまると年金が上乗せされます。
加給年金とは、老後の厚生年金が支給される人に「一定の条件を満たす家族」がいる場合に支給される年金です。
条件にあてはまる家族がいれば老後の年金に上乗せされてお金が支給されます。
かんたんに説明すると、厚生年金に20年以上加入していた方に「65歳未満の配偶者」または「18未満の子供」がいる場合に支給されます。
では次に、年金が減額される場合について下記で説明していきます。年金をもらいながら給料ももらっている方は年金が減額される場合があります。
60歳以上でも働いており、年金をもらいながら賃金をもらっている場合、年金が減額される場合があります。
老後にもらえる国民年金が減額されることは無いのですが、厚生年金は減額されてしまうことがあります。
これを在職老齢年金といいます。
※在職老齢年金は、給料と老後にもらう年金の合計額によって年金の支給を一定程度我慢してもらう制度です。
国民年金 | 厚生年金 | |
---|---|---|
加入する人 | 20歳以上60歳未満のすべての方 | 会社に雇われている方(アルバイトも含む) ※くわしい加入条件については社会保険の加入条件を参照。 |
保険料 | 年間約20万円 ※月額16,980円 ※お金がない方は免除できる |
月収によって増減する。
※月額約0.8万~5.9万円の幅があります。くわしい計算式は厚生年金とはを参照。 |
支払う期間 | 60歳になるまで ※現在65歳までの延長が検討されている。 |
70歳または退職などで厚生年金から抜けるまで ※くわしくは年金の支払いはいつまで?を参照。 |
もらえる年金額 | 年間約81万円 ※満額の場合 |
加入していた期間の総月収によって決まる ※くわしくは厚生年金とは?を参照。 |
もらえる年齢 | 65歳から ※もらう年齢を繰り上げして早くすることもできます。 |
65歳から ※もらう年齢を繰り上げして早くすることもできます。 |
障害年金 | 障害を負ったときにもらえる ※1級障害だと年間約100万円 ※くわしくは障害年金とはを参照。 |
障害を負ったときにもらえる ※加入していた期間の総月収によって増減する |
遺族年金 | 亡くなったときに遺族がもらえる ※年間約81万円(子の人数によってプラスされる) ※くわしくは遺族年金とはを参照。 |
亡くなったときに遺族がもらえる ※加入していた期間の総月収によって増減する |
扶養について | 扶養に入れるシステムはない。 | 扶養に入った配偶者は国民年金の保険料0円になる。 ※くわしくは第3号被保険者になると配偶者は保険料0円?を参照。 |
加給年金 | 老後にもらう国民年金に加給年金のシステムはない。 | 条件を満たすと加給年金が上乗せされる ※くわしくは加給年金とは?を参照。 |
年金の減額 | 老後の国民年金は減額されない。 | 年金をもらいながら給料ももらっている場合、減額される場合がある。 ※くわしくは在職老齢年金とは?を参照。 |
以上のように、国民年金と厚生年金にはさまざまな違いがあります。大きな違いは保険料や老後にもらえる年金額です。
年金について何も知らないひとは年金が何をしてくれるのかだけでも最低限しっておきましょう。下記の記事で年金がわたしたちに何をしてくれるのかザッと説明しているので、気になる方は知っておくことをオススメします。