▶世帯主とは誰のこと?
世帯主は世帯の代表者のこと。申告書などで世帯主との続柄を記入するとき、父親が世帯主なら続柄には「父」と記入する。
※くわしくは下記で説明しています。
▶実家暮らしで親と同居だと世帯主は誰がなる?
親と同居している場合は親が世帯主であることが多い。子供が社会人になって扶養を抜けたとしても、世帯主の変更手続きをしていなければ世帯主は変わらない。
※世帯主より収入が多いからといって世帯主が変わるわけではありません。くわしくは下記で説明しています。親子で暮らす方はチェックしておきましょう。
▶社会人の子供と世帯分離するとメリットある?
同居の親と世帯分離をすることは可能。子供の所得が多くて親の所得が少ない場合、親と世帯分離すると介護費用が安くなるメリットがある。また、親を扶養する場合はデメリットもあることを知っておく。
※くわしくは下記で説明しています。
世帯主とは、世帯の代表者のことをいいます。世帯の中で家計を経済的に支えている方が世帯主になるのが一般的です。
たとえば父・母・子供2人の家族構成であり、働いてお金を稼いで家計を支えているひとが父親のみであるなら、世帯主は「父親」になる場合が多いでしょう。
ですが、世帯主になるには年齢や収入の多さは関係ありません。
※年収が低いからといって世帯主になれないわけではありません。
※「父が定年退職で現役を引退して収入は0円だが、引退前のまま世帯主になっている」という場合もあります。
※世帯とは生活を一緒にする人の集まりのこと。1人で居住と生計を維持している場合も世帯になります。
年末調整などの申請書を記入するときに「世帯主との続柄」という項目がある場合があります。
たとえばあなたが扶養控除等申告書に記入する際、世帯主があなたの父親なら、申請書の「世帯主との続柄」の欄には「父」と記入します。
世帯主が自分の場合は「世帯主との続柄」の欄には「本人」と記入します。
※世帯主は住民票に記載されています。自分の家の世帯主がわからない場合は住民票で確認してみましょう。
では次に、実家住みの場合は誰が世帯主になるのかについて下記で説明していきます。
※あなたが一番稼いでいるからといって世帯主になるわけではありません。くわしくは下記で説明していきます。
あなたが独身で親と同居している場合、世帯主は父親か母親であることが多いでしょう。
※一人暮らしから実家に戻ってきた場合も、変更手続きをしていなければ世帯主は両親のどちらかになります。
たとえば、実家の家族構成が父・母・新入社員の子供1人で同居して住んでおり、父と母が現役を引退しているとします。
この場合、社会人として稼いでいるひとが子供のみであっても、世帯主の変更をしていなければ父または母が世帯主になっているでしょう。
※親と生計を一にしており、本人が世帯の生計を維持していても、世帯主の変更をしていなければ世帯主は父または母になります。
※世帯分離をしている場合については下記で説明しています。
※世帯の全員の収入が少なければ住民税非課税世帯になる場合があります。
両親がお金を稼いでおらず、息子だけがお金を稼いでいても息子が世帯主になるわけではありません。親の扶養から抜けたり、年収が一番多いからといって世帯主になるわけではありません。正確に世帯主を知りたければ住民票を確認しましょう。
※年末調整のときに世帯主を記入することになるので把握しておきましょう。
では次に、子供が社会人になった場合の保険料などへの影響について下記で説明していきます。
※実家暮らしの子供が扶養から外れたからといって、親の保険料が急激に増えることはありません。
実家暮らしの子供が就職して新社会人として働き始め、お金を稼ぐようになれば親の扶養から外れることになります。
そして、子供自身が勤務先の社会保険に加入して保険料を支払うことになります。
※さらに、親の扶養から外れれば親の税金は増えます。
このとき、子供が扶養から外れたからといって、同居している親の社会保険料または国民健康保険料は高くならない※1,2ので安心してください。また、条件を満たせば子供の社会保険の扶養に入ることもできます。
おすすめ記事:親を社会保険の扶養に入れられる?何歳まで大丈夫?
実家に戻ったときについては下記で説明していきます。
今まで1人暮らしをしていたひとが実家暮らしに戻るとき、あなたは世帯主ではなくなります。
※実家の世帯主を変更していなければ両親のどちらかが世帯主であることが多いでしょう。
※世帯分離をした場合を除く。
さらに、あなたの収入によっては実家に戻ることで両親の介護保険料が高くなることがあります。
※年間数万円くらい高くなることがあります(同居前に両親の収入が少なくて住民税非課税世帯だった場合。くわしくは65歳以上の介護保険料はいくら?世帯の収入によって変わる?を参照)。
ただし、親の収入が少なければ「親を扶養するメリット」もあります。親を扶養すれば1人あたり税金が5万~16万安くなります。もし親を扶養するつもりで実家に戻る方は覚えておきましょう。
※おすすめ記事:親を扶養に入れるとデメリットが3つある?介護保険料が上がる?
1人暮らしの場合、住民票を本人の住所にしていれば本人が世帯主になります。
ですが、一人暮らしを始めた際に住民票の変更をしておらず、住民票の住所が実家のままになっている場合、一人暮らしで別居していても世帯主は実家の代表者になります。
たとえば子供が就職して社会人になり、1人暮らしを始めたとしても、その子供(会社員)が住民票を移していなければ実家の代表者が世帯主となります。
※1年以内の転勤や進学など正当な理由がなければ一人暮らしをしたら住民票は移さなければいけません。
※住民基本台帳法第22条。
もし一人暮らしを始めて世帯主を本人にしたい場合は変更手続きを忘れないようにしましょう。
※世帯主が誰なのか知りたくて不安な場合は、お住まいの地域の役所などで住民票を確認しましょう。
高齢の親を扶養に入れるか、親との世帯を分離しようか悩む方もいると思います。
親を扶養すればメリットもありますが、デメリットもあります。
たとえば、扶養することで税金は安くなりますが、親の介護保険料が上がったり、介護サービス費用の負担額が上がったりする場合があります。
同居している親と世帯分離をすれば同じ住所で世帯主が2人になります。世帯分離をすることで介護費用などが安くなるメリットがありますが、手続きがややこしくなる等のデメリットがあります。
親を扶養する場合、親が健康で元気ならデメリットよりもメリットが上回ります。くわしくは下記の記事で説明しています。
※もし、親が介護サービスを必要とするくらい体調が悪い場合、メリットよりもデメリットが上回る場合があるので下記の記事でチェックしておくことをオススメします。
世帯主が2人になることもあります。たとえば同棲している場合です。
2人が別々に住民票を作成して、それぞれが自分を世帯主とすれば「世帯主が2人」になることができます。
ただし、同棲していても、どちらかが住民票を実家から移していなければ世帯主が2人になることはありません。
また、結婚して夫婦になった場合は夫または妻のどちらかが世帯主になるのが一般的です。
※ただし、夫婦ともに生計を別にしているなどで世帯を別にしたい場合はそれぞれが世帯主になることもできます(ただし、お住まいの地域によっては「同居している場合は世帯主を分けることができない」ことがあります。特別な理由が無い限り、同居している夫婦については世帯分離ができません)。
世帯主を変更することは可能です。
お住まいの地域の役所で手続きをすることになります。とくに条件などはありません。
ただし、手続きする際には本人確認書類(免許証またはマイナンバーカードなど)が必要になります。
※手続き出来る方は、世帯主、本人※1、同一世帯の方です。
※1 15歳未満の場合は親権者。
※上記以外の場合は委任状が必要となります。
年金の免除や国民健康保険料の減額の対象になるには、自分の収入以外にも世帯主の収入が関係してきます。
世帯が自分1人ならとくに問題はありませんが、同世帯に親族がいたり世帯主が自分以外の場合は保険料の減額対象から外れてしまう場合があるので、気になる方は下記の記事をチェックしておきましょう。
※つまり、世帯主がたくさんお金を稼いでいる場合は保険料が減額されません(世帯分離している場合を除く)。
無職の国民健康保険料はどれくらい?所得が少ないと安くなる?
※年金については国民年金を免除すると0円になる?を参照。
ここまで説明したように、世帯主とは世帯の代表者のことです。世帯主になるには特に条件などありません。
※世帯主になるうえで年齢や収入などは関係ありません。家族で話し合って誰が世帯主になるのが妥当なのか決めましょう。
自分の家の世帯主がわからない場合は住民票で確認してみましょう。