▶夫の収入は老齢年金だけ。
この記事では、夫の収入は年金のみ・妻はパート収入と年金収入がある場合でシミュレーション。
※夫の収入は変わらなくても、妻のパート収入によって税金や保険料が変わることがあります。
▶パートをすると夫の税金が増えたりする?
妻がパートをすることで所得が増えると夫の住民税が増えることがある。ただし、夫の年金収入が148万以下であれば関係ない。
※住民税非課税世帯から外れてしまうため。くわしくは下記で説明しています。
▶パートをすると夫婦の介護保険料が増える?
妻がパートをすることで所得が増えると、妻と夫の介護保険料が2倍近く増えることがある。
※くわしくは下記で説明しています。
▶パートで少しだけ稼ぎたい場合は?
妻が65歳以上で老齢年金が110万以下で、適度に収入を増やしたい場合はパート収入を93万以下にするのがおすすめ。
※もしくは55万以下なら心配する必要はありません。
※夫の年金収入が148万以下、148万超え~190万の場合。くわしくは下記で説明しています。
65歳以上で老齢年金をもらいながらパート収入を稼ぐときは、税金や保険料などいろいろと考えなきゃいけないことがあって複雑です。
※ひとによっては中途半端な金額だと手取りが減ってしまうことがあります。
ただし、パートで150万や200万などガッツリ稼ぎたいのであれば、パート先で社会保険に加入して働くことをオススメします。
▶たくさん働きたいなら社保に加入したほうがいい?
とにかくお金が欲しくてたくさん働きたいのであれば、気にせずにパート先で社会保険に加入して稼ぐのが良い。
※パート先で社会保険に加入するなら120万以上稼ぐのがおすすめ。110万くらいだと手取りが減ってしまうことがある。くわしくは下記で説明しています。妻が65歳以上で老齢年金が110万以下の場合でシミュレーションしています。
▶損したくない人はいくら稼ぐのがいい?
生活費の足しになるくらいの収入でいい人など、適度に稼ぎたいひとであればパート収入を93万にするのがいい。
※大都市であれば100万。
※夫の年金収入が148万以下(大都市であれば155万以下)で、働く時間を少なくして、手取りを多くしたければ年収105万くらい(月収8.8万未満)にするのがお得。くわしくは下記で説明しています。妻が65歳以上で老齢年金が110万以下の場合でシミュレーションしています。
▶難しくてわからない人は?
パート収入で税金や保険料が変わるのが怖くて不安な人は、パート収入を年収55万以下にすれば何も心配することはない。
※給与収入が55万であれば給与所得は0円になるため税金や保険料が変わることはありません。
夫と妻が2人とも年金受給者であり、夫の収入が年金だけの場合、社会保険の扶養は関係ありません。
夫婦2人とも年金受給者で妻がパートをするときは国民健康保険料、税金、介護保険料に注意しましょう。
国民健康保険には扶養のシステムがないので、妻がパートをしても扶養は関係ありません。
※くわしくは下記で説明しています。
※ただし、配偶者以外の親族(子供など)に扶養されており、社会保険の扶養に入っている場合は収入のボーダーラインに気をつけましょう。くわしくは下記の記事を参照。
年金をもらいながら扶養の範囲内で働くには収入いくらまで?
夫と妻が2人とも年金受給者であり、妻がパートをすると妻の所得によっては夫の税金が増えることがあります。
※夫の年金収入が少なく、税金がかからないなら関係ありません。
※くわしくは下記で説明しています。
妻がパートをすることで住民税非課税世帯にあてはまらなくなった場合は夫の介護保険料も増えるのがポイント。
※くわしくは下記で説明しています。
夫と妻が2人とも年金受給者であり、妻がパートをすると所得によっては保険料が増える場合があります。
妻がパートをしたときの保険料について下記にまとめました。
国民健康保険には扶養のシステムがありません。したがって、夫婦で国民健康保険に加入している場合は、パートをしてもなくても国民健康保険料を支払うことになります。
パートをして所得が増えれば国民健康保険料も増えます。
▶妻が年金とパート・夫の年金が190万の場合
妻がパート先の社会保険に加入したときの保険料はいくらになるかは下記のとおりです。
1年間のパート収入が120万円のとき
勤務先の社会保険に加入した場合の保険料は年間で合計約17万円(月額約14,000円)になります。
※65歳以上の場合。
※70歳~74歳は健康保険料だけなので年間5.9万円。
1年間のパート収入が130万円のとき
勤務先の社会保険に加入した場合の保険料は年間で合計約19万円(月額約16,000円)になります。
※65歳以上の場合。
※70歳~74歳は健康保険料だけなので年間6.6万円。
1年間の収入が200万円のとき
勤務先の社会保険に加入した場合の保険料は年間で合計約29万円(月額約24,000円)になります。
※65歳以上の場合。
※70歳~74歳は健康保険料だけなので年間10.2万円。
妻がパートをすると、妻の所得によっては夫の税金が増えることもあります。
ややこしいですが、下記のパターンに分けてまとめました。
※ここでは夫の年金を190万までとしていますが、夫の年金がもっと多い場合については需要があれば新しく記事にしようと思います。
▶夫の税金は変わらない?
夫が65歳以上で老齢年金収入が1年間(1月~12月末まで)で148万以下であれば夫の税金は0円になります。したがって、妻がパートをしたところで夫の税金が変わることはないので安心してください。
※夫の収入が少ないので税金がかかりません。
※東京23区や横浜市などの大都市であれば年金収入155万(合計所得45万)まで税金が0円になります。
ではつづいて、夫の年金収入が148万超~190万で、妻がパートをしている場合はどうなるのか下記で解説しています。
▶夫についての税金
たとえば夫が65歳以上で老齢年金収入が1年間(1月~12月末まで)で148万超~190万のとき、妻のパート収入によっては夫が住民税を課税されてしまいます。
※たとえば夫の老齢年金が190万、妻の老齢年金が110万以下のとき、妻のパート収入が103万を超えると、夫の収入は変わらなくても、夫にたいして住民税が7,000円課税されてしまいます(パート収入が103万を超えなければ夫の住民税は0円でいられます。くわしくはページ下記のシミュレーション表で解説しています)。
▶妻についての税金
たとえば妻が65歳以上であり、パートの給与収入が93万であれば、夫も妻も税金は0円になります。
※妻の老齢年金収入が110万以下で、夫が配偶者控除を利用した場合。
※東京23区や横浜市などの大都市であればパートの給与収入が100万(合計所得45万)まで税金が0円になります。
例えばあなたの妻が65歳以上であり、1年間(1月~12月まで)の収入が年金収入110万円、アルバイトやパート収入が93万円のとき。
まず年金についての所得を計算
あなたの妻の年金収入は110万なので所得は以下のようになります。
次に給与所得を計算
次に、パート収入が93万なので所得(給与所得)は以下のようになります。
次に合計所得を計算
妻の所得は上記2つなので、妻の合計所得金額は以下のようになります。
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年金をもらいながら働いて給料も貰っている人は確定申告は必要?
妻の所得が増えれば、妻の介護保険料が多少増えることになります。
しかし、妻がパートをすることで住民税非課税世帯じゃなくなった場合、妻だけじゃなく夫も介護保険料が増えることになります。これによって介護保険料は結構ふえるので心の準備をしておきましょう。
※下記で金額の一例としてシミュレーションをしています。
住民税非課税世帯のときの保険料は?
たとえば住民税非課税世帯であり、妻の老齢年金(公的年金等の収入)が100万円だとすると、介護保険料は月額約3,150円(年間約37,800円)になります。
夫の老齢年金が190万円だとすると、介護保険料は月額約4,400円(年間約53,000円)になります。
※介護保険料は住んでいる市区町村によって異なります。
妻の老齢年金が100万円で、妻がパートをすることで住民税非課税世帯じゃなくなったとき、妻の介護保険料は月額約6,300円(年間約76,000円)になります。
※妻が住民税を課税されたとした場合。
さらに、夫の老齢年金が190万円のままだとしても、介護保険料は月額約7,600円(年間約91,000円)になります。
※妻が同一生計配偶者じゃなくなったことにより、夫も住民税を課税されたとした場合(※夫婦で住民税が0円になる理由についてくわしくは夫婦だと年金211万まで住民税が非課税になる?)。
※介護保険料については下記表で説明しています。
※年金収入等とは、前年(1月~12月まで)の公的年金等の収入 + 前年(1月~12月まで)の公的年金等の収入を除く合計所得金額のこと。
※遺族年金や障害年金などの非課税所得になるものは収入に含みません。
※上記表では第9段階まで分けていますが、市区町村によっては17段階以上に分けている場合もあります。自分の市区町村HPで確認することをおすすめします。
※介護保険料は市区町村によって異なります。そのほか介護保険料については65歳以上の介護保険料はどれくらい?世帯の収入によって変わる?で説明しています。
※介護保険料の計算は介護保険料シミュレーションで目安を計算できます。
1年間のパート収入別に税金や保険料がいくらになるか計算してまとめました。
年金受給者がパートをしたときの手取りについてシミュレーションして説明しています。
自分の手取りがどう変わるか、保険料がいくら引かれるかチェックしておきましょう。
※夫の負担増も含めてまとめています。
※非課税になる所得や介護保険料など考えることが多く、とてもややこしいのが特徴です。
▶夫婦で国民健康保険に加入している場合
※妻が配偶者控除を利用しています。
※夫婦2人暮らし・夫の収入は年金だけ・65歳~74歳として計算しています。
※金額はおおよそです。年金税金シミュレーションで計算。
国保のときはいくら稼ぐのがいい?
上記に示したシミュレーション表の「手取り」を見てみると、国民健康保険に加入して働くのであれば損することはありません。ただし、勤務先によっては月収が8.8万以上になると社会保険に加入するルールになっていることを覚えておきましょう。
社会保険に入るならいくら稼ぐのがいい?
国保に加入している場合と比べると、手取りが減ります。たとえば年収106万の手取りを見てみると、国保のときは97万、社保のときは86万になります。
※65歳~70歳未満の場合。
そのため、パート先で社会保険に入るなら年収120万以上※にしないと手取りが上回りません。
※65歳~70歳未満の場合。
※70歳~74歳は厚生年金の支払いが無くなるので手取りが増えます。この場合はパート先で社会保険に加入して働いても損することはありません。
一番オススメな年収はいくら?
働く時間を少なくして、手取りを多くしたければ、社会保険に加入しないラインの年収にすることをおすすめします。
※年収105万くらい(月収8.8万未満)にするのがいいかもしれません。
つづいて、夫の年金収入が190万の場合について下記で解説していきます。
▶夫婦で国民健康保険に加入している場合
※夫が配偶者(特別)控除を利用しています。
※夫婦2人暮らし・夫の収入は年金だけ・65歳~74歳として計算しています。
※金額はおおよそです。年金税金シミュレーションで計算。
国保のときはいくら稼ぐのがいい?
上記に示したシミュレーション表の「手取り」を見てみると、国民健康保険に加入して働くのであれば住民税非課税世帯のラインがポイントになります。
パート収入が100万を超えるようであれば、120万近く稼ぐといいかもしれません。
※そうすれば夫の負担増も含めた手取りが100万のときよりも上回る。
※ただし、勤務先によっては月収が8.8万以上になると社会保険に加入するルールになっていることを覚えておきましょう。
社会保険に入るならいくら稼ぐのがいい?
国保に加入している場合と比べると、手取りが減ります。たとえば年収93万の手取りを見てみると、国保のときは85万、社保のときは74万になります。
※65歳~70歳未満の場合。
そのため、パート先で社会保険に入るなら年収120万ちかく稼がないと※、夫の負担増も含めた手取りが85万円を上回りません。
※65歳~70歳未満の場合。
※70歳~74歳は厚生年金の支払いが無くなるので手取りが増えます。この場合はパート先で社会保険に加入して働いても損することはありません。
一番オススメな年収はいくら?
働く時間を少なくして、手取りを多くしたければ、住民税非課税世帯にあてはまりながら社会保険に加入しないラインの年収にすることをおすすめします。
※年収93万(大都市であれば100万)にするのがいいかもしれません。
65歳以上で老齢年金以外に収入があるひとは、税金や保険料が複雑にからみあうので考えるのが嫌になりますが、大まかに気にするポイントは上記のとおりです。
※まとめは上記で解説しています。