住民税非課税世帯から外れたときのデメリットはなに?

2024.11.06 更新
収入が増えたりすると住民税非課税世帯から外れることがあります。この記事では住民税非課税世帯から外れたときにどんなデメリットがあるのかについて説明していきます。
住民税非課税世帯から外れたときのデメリットまとめ

住民税非課税世帯じゃなくなると下記のようなデメリットを受ける場合があります。

  • 病院によく行くひとは医療費が増える場合がある。
  • 65歳以上だと介護保険料が増える。
  • 介護サービスを利用する人は利用料が増えてしまう場合がある。
  • 介護施設に入居したときの食費や居住費が増える。
  • 市区町村から支給されている給付金がもらえなくなる。
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この記事の目次
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どんなときに住民税非課税世帯じゃなくなる?

住民税非課税世帯じゃなくなる例としては下記のようなときです。

住民税非課税世帯じゃなくなるときの例
▶所得が増えたとき

※所得が増える例は以下のとおり。

ひとり親で収入が増えたとき。
※おすすめ記事:母子家庭で住民税が非課税になるには?

子供のバイト収入が増えたとき。
※おすすめ記事:子供がアルバイトしてても非課税世帯になれる?

年金のほかに副業をする。

毎年の年金額の改正で年金額が増えてしまった。

▶家族と同世帯になったとき


年金受給者が会社員の息子と一緒に暮らした場合

※おすすめ記事:住民税非課税世帯の親を扶養したときの影響は?
※ただし、家族と同居しても 世帯分離をすれば住民税非課税世帯でいられる場合があります(下記を参照)。

世帯主(息子など)が稼いでいても、世帯分離をした場合は住民税非課税世帯でいられる場合があります。

たとえば世帯主が会社員の息子で、あなた本人とその妻が年金受給者であるとき、通常であれば住民税非課税世帯にはあてはまりません。
※世帯主(会社員)の所得が多いため、対象外になる。
しかし、世帯分離すれば 息子とあなた本人(およびその妻)の世帯が別になるので、あなたの世帯の所得が少なければ住民税非課税世帯にあてはまる場合があります。

※世帯分離で世帯主があなた本人になるため。世帯分離についてくわしくは下記の記事を参照。
世帯分離とは?条件やデメリットは?親子・夫婦でもできる?

では次に、住民税非課税世帯じゃなくなったときのデメリットについて説明していきます。

デメリット①高額療養費の上限が変わる?
住民税非課税世帯じゃなくなると、高額療養費の上限が上がる

住民税非課税世帯から外れることで、高額療養費の上限が上がってしまいます。

たとえば、あなたが70歳未満で住民税非課税世帯であるとき、高額療養費の上限が35,400円に設定されていますが、住民税非課税世帯じゃなくなると上限が57,600円以上になってしまいます。
※金額の一覧は下記の表を参照。

高額療養費の上限表

頻繁に薬局に行ったり通院するひとは高額療養費について把握しておきましょう。
※くわしくは高額療養費制度とはを参照。
※おすすめ記事→住民税非課税世帯の親を扶養したときの影響は?


デメリット②65歳以上の場合は介護保険料が増える?
住民税非課税世帯じゃなくなると、介護保険料が上がる

住民税非課税世帯から外れたときのデメリットは介護保険料が増えてしまうことです。


あなたが65歳以上の場合、介護保険料は世帯内の住民税課税状況によって増減する場合があります。

どういうこと?
たとえばあなたが住民税非課税世帯であり、老齢年金(公的年金等の収入)が120万円以下だとすると、介護保険料は月額約3,150円(年間約37,800円)になります。
※介護保険料は住んでいる市区町村によって異なります。

ですが、年金収入が120万円以下で あなた本人の住民税は0円だとしても、世帯内の家族の誰かが住民税を払うことになり、住民税非課税世帯じゃなくなったとき、介護保険料は月額約6,300円(年間約76,000円)になります。

※介護保険料については下記表で説明しています。
介護保険料はどれくらい変わる?

年金収入等とは、前年(1月~12月まで)の公的年金等の収入 + 前年(1月~12月まで)の公的年金等の収入を除く合計所得金額のこと。
※遺族年金や障害年金などの非課税所得になるものは収入に含みません。
※上記表では第9段階まで分けていますが、市区町村によっては17段階以上に分けている場合もあります。自分の市区町村HPで確認することをおすすめします。

あなたの年金収入が80万円以下の場合
あなたが支払う介護保険料は月額約1,900円(年間約22,700円)になります。
※住民税非課税世帯の場合。
あなたの年金収入が80万円超120万円以下の場合
あなたが支払う介護保険料は月額約3,150円(年間約37,800円)になります。
※住民税非課税世帯の場合。
住民税非課税世帯から外れて、あなたの年金収入が80万円超えの場合
あなたが支払う介護保険料は月額約6,300円(年間約76,000円)になります。
※あなた本人の住民税は0円で、世帯内の家族の誰かが住民税を払うことになった場合(住民税課税世帯じゃなくなった場合)。

※介護保険料は市区町村によって異なります。そのほか介護保険料については65歳以上の介護保険料はどれくらい?世帯の収入によって変わる?で説明しています。


デメリット③介護サービスの利用料が増える?
住民税非課税世帯じゃなくなると、介護サービスの利用料の上限が上がる

住民税非課税世帯から外れたときのデメリットは介護サービスの利用料が上がってしまうことです。


たとえばあなたの老齢年金収入が1年間で80万超の場合には介護サービスの負担額の上限は24,600円となります(下記表を参照)。

ですが、住民税非課税世帯から外れたときには負担額の上限は44,400円に上がってしまいます(月額約2万円の負担増)。
※あなたの年収が370万円~770万円だった場合。
※介護サービスを利用しない人は関係ありませんが、介護サービスをよく利用する人は注意しましょう。

介護サービスの負担額の上限表
※参照:厚生労働省サービスにかかる利用料

※くわしくは高額介護サービスとはを参照。
年金収入等とは、前年(1月~12月まで)の公的年金等の収入 + 前年(1月~12月まで)の公的年金等の収入を除く合計所得金額のこと。
※遺族年金や障害年金などの非課税所得になるものは収入に含みません。


デメリット④老人ホーム等での費用が増える?
住民税非課税世帯じゃなくなると、介護施設の食費や居住費が上がる

住民税非課税世帯から外れたときのデメリットは老人ホーム等での費用が上がってしまうことです。

養護老人ホームなどの福祉施設に入居したときには以下の表のように食費や居住費がかかります。


たとえば負担限度額が第2段階にあてはまるひとがユニット型準個室に入居した場合には食費が1.2万円、居住費が1.5万円で済みます(下記の表に金額をまとめています)。


ですが、住民税非課税世帯じゃなくなったときには基準費用額(食費が4.4万円、居住費が5.1万円)を負担することになるので負担額が上がってしまいます(月額合計6.8万円の負担増)。

食費や居住費の一覧表
※参照:厚生労働省サービスにかかる利用料

第1段階は生活保護を受けている人など。
第2段階は世帯全員が住民税がかかっておらず、年金収入が80万円以下の人。
第3段階①は世帯全員が住民税がかかっておらず、年金収入が120万円以下の人。
第3段階②は世帯全員が住民税がかかっておらず、年金収入が120万円超えの人。

※くわしくは特定入所者介護サービス費ページで説明しています。

お金持ちは関係ない?

上記の第1~3段階にあてはまるひとでも、預貯金等がたくさんあるひとは食費や居住費が安くなりません(基準費用になります)。つまり、お金持ちの方は通常通りの金額がかかることを覚えておきましょう。くわしくは下記の記事で説明しています。
※くわしくは特定入所者介護サービス費ページで説明しています。


デメリット⑤給付金がもらえない?
住民税非課税世帯じゃなくなると、給付金がもらえなくなる

現在、物価高騰の影響等で住民税非課税世帯には現金(10万円)が支給されています。
※住民税均等割だけ課税されている世帯も含む。

したがって、住民税非課税世帯でなくなれば給付金も支給されなくなります。
※住民税均等割だけ課税されている世帯は支給対象です。

注意点

しかし、自分の世帯が非課税世帯だとしても、別世帯の親族に扶養されている場合は給付金の対象外になることがあります。くわしくは市区町村HPで確認することをおすすめします。
※住民税が課税されている者の扶養親族等のみからなる世帯(親に扶養されている1人暮らしの息子や親族に扶養されている別居の両親など)には、給付金は支給されないことがあります。
※非課税の2人世帯で、扶養親族となっているのが1人だけなら給付金の対象。

※例:子供が住民税非課税世帯の親を扶養している場合。くわしくはお住まいの市区町村で確認することをオススメします。


住民税非課税世帯から外れることになったら?
住民税非課税世帯じゃなくなると、人によってはデメリットの影響が大きい

住民税非課税世帯から外れると税金や保険料に影響があるのか、どんなデメリットがあるのかザッとまとめました。

あまり影響が無い場合もありますがひとによっては大きな負担になることもあります。

住民税非課税世帯から外れたくないと考えている方はここまでのデメリットについて把握しておきましょう。
※デメリットのまとめは上記で説明しています。

ほかにも保育園が無料にならなくなったりする?
住民税非課税世帯であれば、0歳~2歳の幼稚園、保育所、認定こども園等の利用料が無料になります。

ですが、住民税非課税世帯から外れると上記のメリットは受けられなくなってしまいます。

※参照:こども家庭庁幼児教育・保育の無償化概要
※ほかにも住民税非課税世帯・それに準ずる世帯は大学の授業料が減免されたり、給付型奨学金を受けることができたりします。奨学金については日本学生支援機構HPで確認することをオススメします。

住民税非課税世帯なんて気にしないでガッツリ年収を増やすほうが良い選択だと思いますが、それができる人ばかりではありません。ぎりぎり住民税非課税世帯にあてはまるようなひとの場合は年収に注意しておきましょう。
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