▶個人年金の受け取り方で計算が変わる?
一括で受け取る場合と 年金(分割)で受け取る場合で所得の種類が変わるので、税金等への影響が変わる。
※金額の計算は下記でシミュレーションして説明しています。
▶個人年金の受け取り方で受給額は変わる?
一括受取よりも年金受取のほうが受給額が多くなる傾向。
※手取りの計算は下記でシミュレーションして比較しています。
▶個人年金で損することある?
損するかどうかはライフプランによって変わる。すぐにお金が欲しいなら受給額が少なくても一括で受け取るのがオススメ。
▶個人年金の受取方法はどっちがおすすめ?
おすすめの個人年金の受取方法は年金(分割)で受け取る方法。たくさん年金を受け取りたいなら年金(分割)で受け取るのがオススメ。
※くわしくは下記で説明しています。
60歳や65歳など自分で契約した年齢になったときに支給される個人年金には受け取り方法が2つあります。
分割して年金で受け取る方法と一括で受け取る方法です。
それぞれ何が違うのかというと、所得の計算方法が違います。
※個人年金とは生命保険等を契約して、設定した年齢になったときに支給される年金のこと。老齢厚生年金などの公的年金等とは異なります。
個人年金は受け取り方によって雑所得または一時所得になります。
▶年金で受け取る場合
個人年金を分割して年金で受け取る場合は雑所得になります。たとえば、年金として年間100万円支給される場合、経費が80万円なら雑所得は20万円になります。
1年間あたり雑所得20万円があなたの所得金額として加算されます。所得金額が増えることで、税金や保険料へ影響が出る場合があります。
そして一時所得の半分(上記なら75万円)があなたの所得金額として加算されます。所得金額が増えることで、税金や保険料へ影響が出る場合があります。
では、個人年金を一括で受け取る場合と分割(年金)で受け取る場合で金額をシミュレーションしてみましょう。
個人年金にかかる税金や保険料が違うのか、手取りはどっちが多くなるのか比較していきます。
雑所得 ※個人年金額 - 必要経費 = 雑所得になります。必要経費(総払込保険料など)は明細書に記載されています。 |
上乗せされる税金 |
---|---|
雑所得10万円のとき | あなたに上乗せされる税金は 年間約15,000円です。 ※所得税約5,000円、住民税が約10,000円。 |
雑所得20万円のとき | あなたに上乗せされる税金は 年間約30,000円です。 ※所得税約10,000円、住民税が約20,000円。 |
雑所得30万円のとき | あなたに上乗せされる税金は 年間約45,000円です。 ※所得税約15,000円、住民税が約30,000円。 |
雑所得40万円のとき | あなたに上乗せされる税金は 年間約60,000円です。 ※所得税約20,000円、住民税が約40,000円。 |
※金額はおおよそです。
※個人年金があっても雑所得が0円になるなら税金はかからない。
※独身、支払った社会保険料は0円として年金税金シミュレーションで計算。
※個人年金(確定年金や終身年金、有期年金など)は公的年金等控除がつかえません。
雑所得 ※個人年金額 - 必要経費 = 雑所得になります。必要経費(総払込保険料など)は明細書に記載されています。 |
上乗せされる国民健康保険料 |
---|---|
雑所得10万円のとき | あなたに上乗せされる保険料は 年間約12,000円です。 ※65才未満は約14,000円 |
雑所得20万円のとき | あなたに上乗せされる保険料は 年間約23,000円です。 ※65才未満は約28,000円 |
雑所得30万円のとき | あなたに上乗せされる保険料は 年間約35,000円です。 ※65才未満は約42,000円 |
雑所得40万円のとき | あなたに上乗せされる保険料は 年間約46,000円です。 ※65才未満は約56,000円 |
※市区町村によって保険料は異なります。
※世田谷区、加入者1人で計算。
※金額は国民健康保険料シミュレーションで計算。
※国民健康保険は前年1月~12月までの所得をもとに計算されます。
一時所得 | 上乗せされる税金 |
---|---|
一時所得20万円のとき ※一時所得の半分10万円が所得に加わったとき |
あなたに上乗せされる税金は 年間約15,000円です。 ※所得税約5,000円、住民税が約10,000円。 |
一時所得50万円のとき ※一時所得の半分25万円が所得に加わったとき |
あなたに上乗せされる税金は 年間約36,000円です。 ※所得税約12,000円、住民税が約24,000円。 |
一時所得100万円のとき ※一時所得の半分50万円が所得に加わったとき |
あなたに上乗せされる税金は 年間約75,000円です。 ※所得税約25,000円、住民税が約50,000円。 |
一時所得150万円のとき ※一時所得の半分75万円が所得に加わったとき |
あなたに上乗せされる税金は 年間約113,000円です。 ※所得税約38,000円、住民税が約75,000円。 |
※金額はおおよそです。
※個人年金があっても雑所得が0円になるなら税金はかからない。
※独身、支払った社会保険料は0円として年金税金シミュレーションで計算。
※個人年金(確定年金や終身年金、有期年金など)は公的年金等控除がつかえません。
一時所得 | 上乗せされる国民健康保険料 |
---|---|
一時所得20万円のとき ※一時所得の半分10万円が所得に加わったとき |
あなたに上乗せされる保険料は 年間約12,000円です。 ※65才未満は約14,000円 |
一時所得50万円のとき ※一時所得の半分25万円が所得に加わったとき |
あなたに上乗せされる保険料は 年間約29,000円です。 ※65才未満は約35,000円 |
一時所得100万円のとき ※一時所得の半分50万円が所得に加わったとき |
あなたに上乗せされる保険料は 年間約58,000円です。 ※65才未満は約69,000円 |
一時所得150万円のとき ※一時所得の半分75万円が所得に加わったとき |
あなたに上乗せされる保険料は 年間約86,000円です。 ※65才未満は約104,000円 |
※市区町村によって保険料は異なります。
※世田谷区、加入者1人で計算。
※金額は国民健康保険料シミュレーションで計算。
※国民健康保険は前年1月~12月までの所得をもとに計算されます。
個人年金を受け取るとき、金額によっては確定申告が必要にないこともあります。
個人年金を一括または年金で受け取った場合でどう違うのか、比較してみていきましょう。
▶一括で受け取る場合
申告する回数は1回だけ(個人年金を受け取った年だけ)。
▶年金で受け取る場合
個人年金を受け取った年ごとに毎回申告をする。
※たとえば10年間受け取れば、10回申告をすることになります。
公的年金等以外の所得が20万円以下ならば確定申告をしなくてもいい決まりになっています。
※公的年金等とは老齢年金などのこと。
つまり、公的年金以外の所得が1年間(1月~12月まで)で20万円以下なら確定申告は不要になります。
※個人年金を一括で受け取る場合は一時所得の半分が20万以下のとき。
※個人年金を年金で受け取る場合は雑所得が20万以下のとき。
ですが確定申告をしない場合、公的年金以外の所得が20万円以下でも住民税の申告が必要になります(確定申告をした場合、住民税の申告は必要ありません)。確定申告はネットで簡単に作成できるので、確定申告をすることをオススメします。確定申告のやり方は下記で説明しています。
※確定申告をする場合は、20万円以下だとしても所得の申告をしなければいけません。
※出典:国税庁確定申告を要しない場合の意義
※出典:国税庁高齢者と税
上記のシミュレーション結果と照らし合わせた場合、一括で受け取った方がいいのは「すぐにまとまったお金が欲しい人」や「確定申告を毎年したくない人」です。この場合は一括で受け取ることをおすすめします。
より多くの金額を受給したい場合は年金で受け取ることをオススメします。
※年金受取または一括受取のどっちが良いのかはそのひとのライフプランによります。
▶一括がオススメのひと
・すぐにまとまったお金がほしいひと
・確定申告を毎年したくないひと
※個人年金は一括で受け取るほうが受給額が少なくなる傾向です。
▶年金(分割)がオススメのひと
受給額を多くしたいひと
※個人年金は年金で受け取ったほうが受給額が多くなる傾向です。
老齢年金と個人年金を受け取るようなひとで、住民税非課税世帯に該当するひとは少ないと思います。しかし、個人年金を受け取らなければ「かろうじて住民税非課税世帯にあてはまる」ようなひともいるでしょう。
▶どういうこと?
たとえば、あなたが65歳以上で老齢年金が211万であり、前年所得が45万以下の同一生計配偶者がいる場合、住民税非課税世帯にあてはまります。
↓
この場合、個人年金を受け取ることで所得が増えてしまえば住民税非課税世帯から外れてしまいます。
住民税非課税世帯じゃなくなった場合、介護保険料が増えるなどの影響があります(下記のような影響)。
個人年金をもらうことで確定申告が必要になったり税金が増えたりいろいろ面倒ですが、受け取る予定のひとは心の準備をしておきましょう。
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