▶高年齢求職者給付金はいくらもらえる?
支給される金額は基本手当の50日分または30日分。したがって、40万や50万など高額になることはない。
※基本手当日額には上限があるため。くわしくは下記で説明しています。
▶年金は一緒にもらえるの?
高年齢求職者給付金を受け取っても老齢年金は支給停止されない。
※ただし、65歳未満で基本手当をもらう場合は厚生年金が支給停止する。くわしくは下記で説明しています。
▶64歳11ヶ月で退職したら年金はもらえる?
64歳11か月で退職したとき、失業保険(基本手当)が申請でき、65歳からは老齢年金も減額されずに支給される。
※基本手当と老齢年金の両方受け取ることができます。65歳以降に退職すると基本手当の申請ができません。くわしくは下記で説明しています。
▶65歳で退職と 64歳11か月で退職して失業保険をもらうの、どっちが得する?
65歳になる前に64歳でやめて失業保険(基本手当)をもらえば、高年齢求職者給付金よりももらえる金額は多くなるが注意点もある。
※くわしくは下記で説明しています。
高年齢求職者給付金とは、65歳以上の方が退職・失業した場合、失業の認定を受けたときに支給されるお金です。
支給額はそれほどたくさんあるわけではないですが、再就職するまでにお金が欲しい場合は申請しましょう。
支給を受けるには下記の条件にあてはまらなければいけません。
※参照:ハローワークインターネットサービス基本手当について:高年齢求職者給付金について
高年齢求職者給付金の支給額は、雇用保険の被保険者であった期間によって下記のように金額が変わります。
▶被保険者であった期間が1年以上
基本手当の50日分
※たとえば退職前の月収が約30万であり、基本手当日額が約6,000円になる場合、6,000円×50日分 = 約30万円となります。
※60~64歳の基本手当日額の上限額は7,420円となります(2024年度)。
▶被保険者であった期間が1年未満
基本手当の30日分
※たとえば退職前の月収が約30万であり、基本手当日額が約6,000円になる場合、6,000円×30日分 = 約18万円となります。
高年齢求職者給付金は非課税所得です。したがって、給付金を受けても税金が加算されたり、国民健康保険料が増えたりすることはありません。
※雇用保険法第12条。
※したがって、年末調整や確定申告をするときに収入として申告しないように気をつけましょう。給付金を受け取ったとしてもその金額は年収に含めないようにしましょう。
高年齢求職者給付金の支給を受けることができる期限は離職日の翌日から1年です。
※1年が過ぎると受け取れなくなります。
給付金は待期期間が終わって失業の認定を受けたら支給されます。
※給付制限があるひとは、給付制限がおわったあとに失業の認定を受けたら支給されます。
※受給期間の1年が過ぎると給付金は受け取れなくなります。
▶振込日
失業の認定を受けた後、指定した預金口座に振り込まれます。
※預金口座に振り込まれるのは、失業の認定日の翌日から約1週間後になります。
受給できる期間は1年間なので、求職の申込みが遅くなったひとは全額受け取れなくなってしまいます。
たとえば給付金が満額で50日ぶんもらえる人の場合、求職の申込日が遅れてしまうと30日ぶん受け取れなくなってしまいます。
※受給期間(1年間)が終了する20日前に失業の認定を受けた場合。
※給付金を受ける予定の方は早めに求職の申込みをすることをオススメします。
高年齢求職者給付金を受給しても老齢年金はもらえるので安心してください。
※老齢基礎年金や老齢厚生年金は支給されます。
ただし、65歳より前に退職して失業保険(基本手当)をもらう場合は、65歳になるまで老齢厚生年金が支給停止されるので注意しましょう。
※繰上げ受給するひとは注意です。
※老齢基礎年金は支給停止されません。
※参照:日本年金機構年金と雇用保険の失業給付との調整
65歳定年で退職せずに、あえて64歳11ヶ月で退職する人がいます。
なぜかというと、失業保険(基本手当)をもらって、たくさんお金をもらおうとする人がいるからです。
▶65歳になる前なら基本手当がもらえる?
雇用保険の給付である基本手当(失業保険)は65歳以上のひとは申請することができません。
したがって、基本手当を欲しい人は65歳になるまえに退職する、ということです。
したがって、65歳になる直前である64歳11ヶ月で退職し、65歳になる前にハローワークで基本手当の受給資格を得れば、基本手当の支給を受け、65歳になれば老齢年金が全額支給されることになります。
▶65歳で退職した場合は?
「どっちのほうがお金をもらえるか」だけの損得だけで考えれば、もしかしたら65歳になる1か月前にやめたほうがいいかもしれません。
※失業保険がもらえるため。注意点は上記で解説しています。
ですが気をつけてほしいのは、65歳もしくは64歳11か月に退職後、働くつもりもないのに給付金や失業保険をもらうのは「ルール違反になる」ということです。
高年齢求職者給付金または基本手当をもらうには、就職しようとする意思があるにもかかわらず失業の状態にあることが条件です。
数十万円のお金を手に入れて少し得するだけのために、毎月ハローワークに行って、職業相談などの求職活動の実績をこなし、失業の認定をもらい、認定日にお金をもらうような行為は良くありません。
だまってテキトーに実績をこなしていればお金をもらえるかもしれませんが、そんなセコいことをするのは面倒ですし、後ろめたい気持ちで受給するのは精神衛生上よくないです。
それに、ハローワークの職員さんに無駄な時間を取らせたり、本当に求職している方が困ってしまいます。
退職後に求職するつもりがないにもかかわらず、お金を手に入れるためにそんな面倒なことをするよりも自分の時間をもっと大切に使った方がお得です。ルール違反はやめましょう。
こんなページもみられています
再就職するまでの空白期間は国保に加入したほうがいい?