年金、医療、介護、児童手当や失業対策など、社会保障制度は様々なかたちで国民の生活を支えてくれています。
その社会保障制度にどれだけの金額が使われているのか知らない方もいると思うので、1年間の財源と支出をグラフにしてまとめました。
※学生向けの教科書(社会保障など)については税金や保険を学ぼうを参照。
1年間の社会保障の費用をみていきましょう。下記のグラフに社会保障制度の財源(集めたお金)と給付費(使うお金)を示します。
なんと、その額は100兆円を超えています。
財源については社会保険料による収入が約5割で最も多くを占めており、公費負担が3割を占めています。
給付費については年金に関する費用が約5割で最も多くを占めており、次いで医療に関する費用が約3割を占めています。
上記のグラフを見てわかるように、社会保障制度の財源は社会保険料と公費(税金など)が主です。このように社会保障制度(とくに医療・年金・介護など)には多くの金額が使われており、その金額の中には国民が支払った社会保険料だけでなく、公費(税金など)も多く使われていることがわかります。
税金のつかいみちには社会保障も含まれていることを知っておきましょう。
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社会保障制度の始まりはいつから?歴史について
※年金や医療など個別の金額については下記で説明しています。
医療費は病気やケガなどを治すための診療費用や歯医者さんで歯を治療するための費用などいろいろあります。
いったい1年間でどのくらいの金額が医療に使われているのか知らない方もいると思うので、1年間の財源と支出をグラフにしてまとめました。
※学生向けの教科書(社会保障など)については税金や保険を学ぼうを参照。
医療費については医科診療医療費が約7割で最も多くを占めており、薬局調剤医療費が2割を占めています。
財源については保険料による負担が約5割、公費(税金など)による負担が約4割、患者自身による負担は約1割を占めています。
下記のグラフを見てわかるように、国民医療費の財源には保険料や公費(税金など)や患者自身による負担金があり、これらを財源として医療(約46.7兆円)が行われているんです。
税金のつかいみちには医療も含まれていることを知っておきましょう。
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医療保険の始まりはいつから?歴史について
1年間でどれだけの金額が医療に使われているのか見ていきましょう。下の図に医療の費用と財源を示します。
なんと、その額約46.7兆円。
年金制度は「歳をとったとき、障害を負ったとき、遺族になったとき」にわたしたちに年金を給付してくれます。
※ここでは国民年金や厚生年金といった公的年金の財源と支出について説明しています。
いったい1年間でどのくらいの金額が年金に使われているのか知らない方もいると思うので、1年間の財源と支出をグラフにしてまとめました。
※学生向けの教科書(社会保障など)については税金や保険を学ぼうを参照。
財源については保険料による収入が約7割、次いで国庫・公経済負担が約2割、年金積立金の運用収入は約1割を占めています。
支出は約54兆円となっています。
下記のグラフを見てわかるように、年金制度の財源にはわたしたち国民が支払う保険料のほかにも年金積立金の運用収入や国庫等負担(税金など)があり、これら約54兆円を財源として年金制度は運営されています。税金のつかいみちには年金も含まれていることを知っておきましょう。
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年金制度の始まりはいつから?歴史について
1年間でどれだけの金額が年金制度に使われているのでしょうか。下の図に年金制度の財源と支出を示します。
なんと、その金額は約54兆円。
日本では高齢者が増えており、それにともない介護を必要とするひとも増えています。
そんな状況にある日本ではいったい1年間でどれくらいの金額が介護につかわれてるのか知らない方もいると思うので1年間の財源と支出をグラフにしてまとめました。
※学生向けの教科書(社会保障など)については税金や保険を学ぼうを参照。
1年間でどれだけの金額が介護保険制度に使われているのでしょうか。下の図に介護保険制度の財源と支出を示します。
なんと、その金額は約12兆円。
財源は50%が公費(税金など)、残りの50%は被保険者の保険料で構成されており、これら約11兆円を財源として介護保険制度は運営されています。約12兆円が介護サービスなどに使われているということなんです。税金のつかいみちには介護も含まれていることを知っておきましょう。
※参照:厚生労働省財政の仕組み
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介護保険の始まりはいつから?歴史について
仕事を失ったひとを援助したり、育休を取ったひとへお金を支給したりなど、雇用保険の給付にはいろいろあります。
いったい1年間でどれくらいの金額が雇用保険制度の運営に使われているのか知らない方もいると思うので1年間の財源と支出をグラフにしてまとめました。
※学生向けの教科書(社会保障など)については税金や保険を学ぼうを参照。
1年間でどれだけの金額が雇用保険制度に使われているのでしょうか。下の図に雇用保険制度の財源と支出を示します。
なんと、その金額は財源が約3.9兆円、支出が約3.6兆円。
財源には被保険者や企業が支払う保険料のほかに、国庫負担(税金など)があり、これら約3.9兆円を財源として雇用保険制度は運営されています(足りない分は今までの積立金の一部を財源として使っています)。そして、約3.6兆円を仕事を失った方や育児のための給付等に使われています。
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雇用保険の始まりはいつから?歴史について
労災保険は労働者のための保険です。仕事が原因の病気やケガをしたとき等にお金を支給して補償してくれます。
いったい1年間でどのくらいの金額が労災保険制度の運営に使われているのか知らない方もいると思うので、1年間の財源と支出をグラフにしてまとめました。
※学生向けの教科書(社会保障など)については税金や保険を学ぼうを参照。
労災保険の財源には企業が支払う保険料のほかに利子収入(そのほか雑収入など)があり、これら約1兆円を財源として労災保険制度は運営されています。
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労災保険の始まりはいつから?歴史について
1年間でどれだけの金額が労災保険制度に使われているのでしょうか。下の図に労災保険制度の財源と支出を示します。
なんと、その額約1兆円。
年金・医療・介護などの社会保障を手厚くすれば税金や社会保険料の負担は増えます。どんな社会にしていきたいか、どのくらいの社会保障を求めるかについてはわたしたち国民が考えていかなければなりません。
※現役世代が支払う社会保険料を安くするかわりに、老後の年金を大幅に減らせば、現在年金をもらっている世代からは反対の声があがるかもしれません。逆に老後の年金がたくさん欲しかったり、高齢者の医療・介護を手厚くしたければ、現役世代の社会保険料が高くなってしまうので、反対の声があがるかもしれません。ほかにも、社会保障を手厚くするために、高齢者の社会保険料(医療保険や介護保険料)を大幅に値上げすれば反対されてしまうかもしれません。このように、どんな社会にしていくかをわたしたちが考えなければいけないのです。
※現在、現役世代が支払う社会保険料は増えており、高齢者世代がもらう年金は実質減っている状況です。
ですが、上記のグラフを見たところで「100兆円とか莫大な金額を見せられても現実味が無くてよくわからない」と思います。
なので「これだけの金額が使われている」ことを知っておくだけで大丈夫です。どんな使われ方をしているのかザッと把握しておくことが大事ということです。
※学生向けの税金・保険等の教科書については←こちら
また、年金や医療などといった「社会保障」にはわたしたちが支払った保険料のほかに税金も使われていることを覚えておきましょう。
※税金の使われ方などについては下記の記事を参照。