親の扶養親族でいるには、子供の合計所得が1年間で48万円以下でなければいけません。
※社会保険の扶養とは別です。社会保険の扶養については下記で説明しています。
つまり、子供の仮想通貨による利益(雑所得)が48万円を超えてしまうと扶養親族の対象から外れてしまい、親が扶養控除が利用できなくなります。
※収入が仮想通貨だけの場合。
※扶養控除とは、扶養親族がいると税金が安くなる制度です。
「合計所得48万円ってなに?ビットコインの利益がいくらまで扶養でいられるの?」という方のために以下でわかりやすく説明していきます。
たとえばあなたが1年間(1月~12月まで)にビットコインで稼いだ金額が48万円とすると、
となります。仮想通貨以外に収入が無いとすると、あなたの合計所得金額は
となります。この場合、合計所得が48万以下なのであなたは扶養親族の対象になります。
つまり、ほかに収入がなければ48万円まで仮想通貨でお金を稼いだとしても、あなたは扶養親族の対象から外れないので、親の扶養控除の対象になるということです。ただし、仮想通貨の収入が48万円を超えてしまうと扶養から外れて親の税金が上がってしまうので気をつけましょう。
※2020年1月から扶養親族の所得要件が38万円から48万円に引き上げられました(2024年現在も48万円です)。
いくらから税金がかかるか等については下記の記事を参照。
ビットコインなどの仮想通貨の税金はいくらから?計算方法は?
ビットコインなどの仮想通貨のほかアルバイトもしている場合、少し計算がややこしくなります。
親の扶養親族でいるには、子供の合計所得が1年間で48万円以下でなければいけません。
つまり、合計所得が48万円を超えると扶養から外れてしまい、親が扶養控除を利用することができなくなってしまいます。
※扶養控除とは、扶養している親族がいると税金が安くなる制度です。
仮想通貨とアルバイト収入がある場合の計算がわからない方のために、下記で具体的に金額をあてはめてシミュレーションしています。
※仮想通貨の利益(雑所得)と給与所得を合計した金額で扶養親族の対象になれるか判定をすることになります。
たとえば仮想通貨のほかにアルバイトもしており、1年間(1月~12月まで)の給料が90万円、仮想通貨の利益が25万円(雑所得)の場合、扶養控除の対象になるのか見ていきましょう。
まず、あなたの給与所得は、
となります。
つづいて、雑所得は、
となります。
したがって、あなたの合計所得金額は、
となります。この場合、あなたの合計所得が48万円を超えてしまっているので、あなたは扶養親族の対象から外れてしまいます。
したがって、あなたの親は扶養控除を利用できなくなるので税金の負担が増えてしまいます。もし、上記の合計所得金額が48万円以下ならあなたは扶養親族の対象になるので、親の税金は上がりません。
※2020年1月から扶養親族の所得要件が38万円から48万円に引き上げられました(2024年現在も48万円です)。
いくらから税金がかかるか等については下記の記事を参照。
ビットコインなどの仮想通貨の税金はいくらから?計算方法は?
では次に、扶養を外れると親の税金はいくら増えるのかについて下記で説明していきます。扶養を外れた影響を知っておきましょう。
あなたがビットコインなどの仮想通貨でお金を稼ぎ、扶養控除の対象から外れてしまった場合、あなたの親の税金の負担は年間約5~17万円増えてしまうことになります。
※親の年収が250~850万円、子供が高校生~大学生としてシミュレーションした場合。
親に扶養されている子供の年齢によってどれくらい税金の負担が増えてしまうかについては以下にシミュレーションしてまとめました。
※あなたの父親または母親が(40歳以下・社会保険加入の会社員)が扶養控除を利用できなくなった場合のシミュレーション。
▶16歳以上の子供が扶養から外れた場合
親族の年収 | 親族が支払う税金 |
---|---|
年収250~400万円のとき | 親族が支払う税金は約52,000円高くなります。 ※所得税は19,000円、住民税は33,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収500~600万円のとき | 親族が支払う税金は約71,000円高くなります。 ※所得税は38,000円、住民税は33,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収700~850万円のとき | 親族が支払う税金は約110,000円高くなります。 ※所得税は76,000円、住民税は33,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
親族の年収 | 親族が支払う税金 |
---|---|
年収250~430万円のとき | 親族が支払う税金は約77,000円高くなります。 ※所得税は31,500円、住民税は45,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収540~640万円のとき | 親族が支払う税金は約110,000円高くなります。 ※所得税は63,000円、住民税は45,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収740~850万円のとき | 親族が支払う税金は約170,000円高くなります。 ※所得税は126,000円、住民税は45,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
※扶養控除の対象となる家族1人あたりの年間額。
※上記の表はあなたの父親または母親が(40歳以下・社会保険加入の会社員)が扶養控除を利用できなくなった場合のシミュレーション。
では次に、社会保険の扶養はいくらから外れるのかについて下記で説明していきます。扶養にも違いがあります。
あなたが親に扶養されており、あなたの収入が1年間で130万円以上※になると社会保険の扶養から外れてしまいます。
社会保険の扶養から外れると、自分で国民健康保険に加入して保険料を支払うことになります。
仮想通貨収入が130万円の場合
たとえば仮想通貨の利益(雑所得)が1年間で130万円でそれ以外に収入がない場合、国民健康保険料は年間で約16.6万円になります。
現在、社会保険の扶養になっており、国民健康保険の保険料を支払いたくない場合は1年間の収入を130万円未満にしておくことをオススメします。
※40歳以上なら年間で約20.6万円。
※経費は0円としています。
※国民健康保険については国民健康保険とは?を参照。
※保険料はこちらのページでシミュレーションを行いました。
※東京都世田谷区、年齢39歳以下、加入者1人としてシミュレーションしています。
仮想通貨収入が150万円のとき
では次に、仮想通貨の利益があるときの確定申告について下記で説明していきます。基本的には確定申告が必要です。
ビットコインなどの仮想通貨の利益があったとき、基本的には確定申告をして所得の申告をすることになります。
ただし、あなたがアルバイトをしながら仮想通貨の利益もある場合、仮想通貨の利益が1年間で20万円以下なら確定申告をする必要がありません。
※ただし、住民税の申告が必要になる場合があります。くわしくは下記のとおりです。
あなたがアルバイトなどで給料をもらっている場合、仮想通貨の利益があれば税金が加算されます。ただし、給料をもらっているひとは雑所得(仮想通貨の利益)が1年間(1月~12月まで)で20万円以下ならば確定申告をしなくてもいい決まりになっています。
※給与所得と雑所得のほかに所得が無い場合。
※経費は0円としています。雑所得については雑所得とは?を参照。
確定申告をしない場合、雑所得(仮想通貨の利益)が20万円以下でも住民税の申告が必要になります(確定申告をした場合、住民税の申告は必要ありません)。確定申告はネットで簡単に作成できるので、確定申告をすることをオススメします。確定申告のやり方は下記で説明しています。
※確定申告をする場合は、20万円以下だとしても雑所得の申告をしなければいけません。
※出典:国税庁確定申告を要しない場合の意義
※参照:国税庁給与所得者で確定申告が必要な人
確定申告のながれ
STEP➊源泉徴収票など必要なものを用意する
STEP➋確定申告書を作成する
STEP➌確定申告書を郵送する(税金を支払うまたは払い戻される)
※くわしい手順は下記の記事でわかりやすく説明しています。
もしも確定申告をするのが不安な場合は、ためしにテキトーに金額を入力して申告書のつくりかたを練習してみてもいいかもしれません。
※作成した申告書を税務署に郵送しなければ問題ないので、上記のページを参考に申告書をためしに作成してみましょう。
ここまで説明したように、親に扶養されている子供がビットコインなどの仮想通貨でお金を稼ぐ場合は扶養のボーダーラインに注意しなければいけません。
扶養から外れれば親の税金が増えたり、自分で保険料を支払うことになることを覚えておきましょう。