フリーターで130万円超えると損?それともお得?年収いくらがベスト?

2024.10.28 更新

1人暮らしでアルバイトをしているフリーターの方などは、税金や保険料についてよくわからなくて不安になることもあると思います。この記事ではフリーターの年収130万円が損なのか得なのか、どのくらい稼げばいいのか、損しない年収について説明していきます。

この記事のポイント(要点まとめ)


▶フリーターはいくら稼げばいいの?130万超えなきゃダメ?
親族の扶養に入っていないなら年収130万円のボーダーラインは関係ない。たくさん稼げば手取りが増える。
※くわしくは下記で説明しています。


▶フリーターはいくら稼げば得なの?
親族の扶養を抜けてガンガン働くなら年収140万~150万円以上(月収12万~12.5万以上)稼がないと損。扶養を外れるなら150万以上がおすすめ。
※年収120万~129万と比較した場合。
※フリーターで月収20万(年収240万)なら手取りは約16万(年間約192万)になります。
※くわしくは下記で説明しています。


▶103万円の壁にこだわる人は損をするの?
親に扶養されているなら103万以下がお得だが、たくさん稼ぐつもりなら130万を超えたほうがいい。
※くわしくは下記で説明しています。
※配偶者がいる主婦の場合はパート主婦は年収いくらがお得?を参照。


この記事の目次
フリーターで130万円を超えると損?それともお得?

自分がフリーターであり、会社員の親族に扶養されているなら年収130万円が損得のボーダーラインになるということです。


いくら稼げばいいのか・どれくらい稼いでいいのか不安な方は「税金がいくらになるか」「お得な年収」「年収のボーダーライン」について知っておくことをオススメします。

チェックポイント

▶扶養を気にしない人は?
フルタイムでシフトを入れ、200万や300万稼いで手取りを増やすのがオススメ。


▶扶養を抜けるか迷っている人は?
親の扶養内でいる場合は103万以下がオススメ。103万以上稼ぎたいと考えているひとは、扶養を抜けて150万以上稼いだ方がいい。
※130万など中途半端な金額だと損してしまうおそれがある。


▶扶養を抜ける注意点
親の勤務先によっては子供の収入が103万や130万以下でないと家族手当等がもらえないことがある。
※はじめから家族手当等が無いこともあります。

では、フリーターでお得な年収について下記で説明していきます。収入が103万~150万くらいのひとはチェックしておきましょう。

フリーターの年収103万・130万円一番お得なのは?
扶養されているなら103万円以下にしておくのが一番お得

親族の扶養に入っていないフリーターの場合、ガンガンお金を稼ぐのが一番お得です。


勤務先の社会保険に加入するなら年収130万円を超えても関係ないので、いくら稼げばいいのかなどは気にせずにガンガン稼いでください。


ただし、親族の扶養に入っており、あまりガツガツ働きたくない場合は年収103万円以下にするのが一番お得といえるでしょう。
※年収103万と130万円、扶養内と扶養外でどっちがお得か下記の表を参考に検討しましょう。

お得?損?フリーターの年収まとめ
フリーターの年収ごとの損得まとめ
フリーターの年収ごとの損得まとめ

上記の表を解説

たとえば親族(親など)に扶養されており、適度に働くつもりなら年収103万円が一番お得です。
扶養を外れて、勤務先の社会保険に加入してたくさん働くつもりなら140万~150万円以上稼ぐのがおすすめです。103万円を超えたり、130万円を少し超えるくらいの中途半端な金額だと、手取りが減ってしまうのでオススメしません。

※ちなみに、あなたが19歳以上23歳未満の場合は年収150万円以上稼ぐことをおすすめします。
※手取りや税金がどれくらいになるかは次の項目で説明しています。

※一時的な理由で130万以上になっても社会保険の扶養でいられる場合があります。くわしくはこちらのお知らせを参照。

では次に、年収いくらがベストなのか下記で説明していきます。そこそこ働くのかガッツリ働くのかによってオススメな年収が変わるのでチェックしておきましょう。

年収いくらがベスト?働き方ごとにシミュレーション
フリーターでたくさん稼ぐつもりなら150万円以上稼ぐのがオススメ

フリーターの年収がいくらがお得なのかはどれだけ稼ぎたいかで変わってきます。

以下にそれぞれのパターンで説明していきます。

具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているのでフリーターの方はチェックしておくことをオススメします。
※自分にとっていくらがベストなのか把握しておきましょう。
※フリーターだからといって税金が高くなるわけではありません。お金を稼げば正社員でも同じだけ税金や社会保険料がかかります。税金がきついと感じる方は1年間にかかる税金等をザッと把握して心の準備をしておきましょう。

扶養に入っていない場合は?


あなたが1人暮らしで親族の社会保険の扶養に入っていない場合には、年収130万円のボーダーラインなどは関係ないので、勤務先の社会保険に加入してガンガン働いて稼いだほうが一番お得といえます。

103万円の壁や130万円の壁にこだわる必要はありません。いくら稼いでも損することはないのでガンガン稼ぎましょう。
※ただし、家族と暮らしていて住民税非課税世帯を気にしている場合は注意しましょう。所得が増えると非課税世帯に該当しなくなります(あなただけ世帯分離をすれば、家族は非課税世帯でいることは可能です)。

※国民健康保険に加入しながらアルバイト等をしている場合はこちらの記事を参照。

扶養を外れて社会保険に入るならいくら稼ぐ?
扶養を外れるならいくら稼げば損しない?
下記の表の手取りを見てみると、扶養を外れて自分で勤務先の社会保険に加入してガンガン働きたい場合には、年間140万~150万円以上稼がないと手取りが上回らないのでお得とはいえません。
※年収120万~129万と比較した場合。
※以下の表はフリーターの年収別シミュレーションです。40歳未満・親族が社会保険に加入している・フリーターとして計算しています。

※金額はおおよそです。

フリーターの年収ごとの手取り一覧
フリーターの年収ごとの手取り一覧

※国民年金は全額免除または納付猶予を受けているとしています。
※計算は税金・保険料シミュレーションで行いました。

年収120万~129万よりも年収130万の税金が少ない理由は、年収130万で社会保険に加入して保険料を支払うことによって”社会保険料控除”が使えるからです。
※順を追ってわかりやすく説明していきます。↓

①まず、あなたの給与収入が年間130万とすると、あなたの給与所得は75万になります。
②社会保険に加入して健康保険料などを支払うことになるので、社会保険料控除が適用されます。すると、あなたの給与所得(75万)が社会保険料のぶんだけ減額されます。
※支払った社会保険料のぶんだけ所得が減額されます。「75万 – 支払った社会保険料の金額ぶん」ということになります。
③所得が減ってくれれば、あなたにかかる所得税や住民税は安くなります。

以上が税金が安くなる仕組みです。
結局、年収いくらにするのがいい?
たくさん稼ぎたいならかならず140万以上にする

フリーターの方で扶養を抜けても手取りを減らさず損しないようにしたければ、年収140万~150万以上稼げばいいということです。
※年収120万~129万と比較した場合。
※最低でも平均月収12万を超えるようにしましょう。
※130万を少し超えるくらいにするのはオススメしません。ただし、一時的な理由で130万以上になっても社会保険の扶養でいられる場合があります。くわしくはこちらのお知らせ(年収の壁の見直し)を参照。


したがって、社会保険に自分で加入してたくさん稼ぎたいという方は年収130万円など気にせずにガンガン稼ぎましょう。

※200万や300万を超えたい方は気にせずフルタイムで働きましょう。
※フリーターで月収20万(年収240万)なら手取りは約16万(年間約192万)。月収25万(年収300万)なら手取りは約19.8万(年間約237万)。

※ただし、働く日数などによっては年収130万円未満でも社会保険に加入することになります。自分で勤務先の社会保険に加入した場合は損になるボーダーラインが関係なくなるので年収130万円などは気にせずガンガン稼ぎましょう。
※親が会社独自の福利厚生扶養手当や家族手当)などをもらっている場合、子供が扶養から外れると手当が支給されなくなることがあるので確認しておきましょう。

※フリーターとして国民健康保険に加入しながら130万円以上稼ぐ場合はこちらの記事を参照。

年収ごとの手取りについてはこちらの記事↓
フリーターの手取りと税金はいくら?年収別150~200・250・300万円




所得税はいくらになる?順を追って計算。

たとえばあなたの1年間1月~12月までの収入が給与収入のみで300万円の場合。


①まずは給与所得の計算
上記の条件のとき、給与所得は、

300万円給与収入98万円給与所得控除  =  202万円給与所得
給与所得控除については給与所得とは?を参照。
※給与所得は給与所得シミュレーションで計算できます。

となります。給与所得のほかに所得がないので、これが総所得金額となります。

②次に課税所得を計算
総所得金額は計算できたので(202万円)、次に課税所得を計算します。課税所得は、

202万円総所得金額 - 所得控除 = 課税所得
総所得金額とは:各種所得の合計(一部所得は除く)。
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。

所得控除を94万円(48万円基礎控除 + 46万円社会保険料控除)とすると、課税所得は、

202万円総所得金額94万円所得控除 = 108万円課税所得
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。

③所得税を計算
課税所得がわかったので次に所得税を計算します。所得税は、

108万円課税所得 × 税率 = 所得税

となります。課税所得195万円以下は税率が5%なので、所得税は、

108万円課税所得 × 5% = 54,000円所得税
税率については、所得税率とは?を参照。
所得税の計算については、こちらを参照。

となります。
※税金の計算はこちら↓でシミュレーションできます
手取りと税金をパッと計算!シミュレーション

勤務先の社会保険に加入したときのメリットは?
社会保険に加入すれば年金が増えたりする

たくさん働いてお金を稼ごうとすれば、勤務先で社会保険に加入しなければいけません。

毎月高い保険料を支払うことになるのでとても嫌ですが、加入したときのメリットもあります。

フリーターの方が社会保険に加入したときのメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリットとデメリットは?

社会保険に加入したときのメリット
老後の年金が増える(厚生年金が上乗せされる)
・障害を負ったときにもらえる障害年金が増える

傷病手当出産手当が利用できる

社会保険に加入したときのデメリット
・毎月それなりの金額の社会保険料を支払うことになる
※ただし、たくさん稼ぎたければ社会保険の加入は必須です。したがって、デメリットを考える必要はあまりありません。
※年収130万円だと社会保険料は年間約19万円になります。
※年収180万円だと社会保険料は年間約25万円になります。
※年収300万円だと社会保険料は年間約44万円になります。

保険料は下記で計算しています。
税金・保険料・手取りシミュレーション


フリーターでアルバイトなどを掛け持ちする場合は?

アルバイトを掛け持ちしてお金を稼ぐのは違反ではありません。たくさん稼ぎたい方はダブルワークをして稼ぐのも一つの手段です。

ただし、税金の計算や社会保険などのことが少しややこしくなります。


たとえばダブルワークをしてお金を稼ぐ場合は、基本的に確定申告が必要になります。
※アルバイト先の年末調整だけでは税金が精算できないため。

Wワークは確定申告をしたほうがいい?

確定申告をすれば支払い過ぎた税金が払い戻されることがあるので、ダブルワークをしている方はなるべく確定申告をすることをオススメします。
※確定申告はネットで簡単にできるので安心してください。

注意するポイントはそれほど難しくないので、ダブルワークをするつもりの方は下記の記事をチェックしておきましょう。

ダブルワークの税金や社会保険などについて解説。2つを合計する?

フリーターの年収まとめ


▶扶養されているときは年収いくらがオススメ?
扶養を抜けると親の税金が上がってしまうので、親の扶養に入っているなら年収103万円以下におさえるのがお得。
※103万円以下だと親族の税金が安くなることについてはアルバイトやフリーターの年収103万円の壁?を参照。


▶扶養に入っていないひとは関係ある?
親族の扶養に入っていないなら年収130万円のボーダーラインは関係ない。ただし、ガンガン働くなら年収150万円以上稼がないと損。
※くわしくは上記で説明しています。

年収ごとのフリーターの手取りはいくら?
扶養を外れて稼ぐつもりの方は年収と手取りの関係を下記の記事でザッと把握しておきましょう。年収ごとに手取りをシミュレーションしています。ちなみに、年収300万円の手取りは約238万円です。

手に入る金額が大まかにわかっていれば、使っていい金額と残しておく金額がザッと計算しやすくなるのでオススメです。

フリーターの手取りと税金はいくら?年収別150~200・250・300万円