▶アルバイトで年末調整をしないとどうなるの?
年末調整の書類(扶養控除等申告書)を提出していない場合、支払い過ぎた税金があっても戻ってこない。
※たとえばバイト収入が103万以下で年末調整または確定申告をしないと所得税がもどってきません。学生だとしてもバイト代から所得税が引かれているひとは注意しましょう。年末調整をすると勤務先が税金を調整してくれます。くわしくは下記で説明しています。
※ただし、勤務先が2つあるひとは年末調整で精算できないことが多い。
▶学生アルバイトでも年末調整は必要?
アルバイトをしているひとが年末調整の書類を提出しなくても罰則はないが、税金が精算されないので損してしまうことがある。
※数千円~数万円くらい損してしまうことが多いです。
※納税額が少ないときは精算が必要です。
※会社側は従業員の年末調整をするのが「義務」。くわしくは下記で説明しています。
▶年末調整をしてないけどお金戻ってくる?
▶給料が少なくても年末調整したほうがいいの?
年末調整の書類を出し忘れたりなどで、年末調整をしていないひと(とくに高校生や大学生など)は多くいます。
※年末調整とは、簡単に説明すると「年末に税金の調整を会社にしてもらう」手続きです。
年末調整をするための書類(扶養控除等申告書)をアルバイト先に提出しないでそのままにしていると税金が精算されません。
※税金を支払い過ぎている人は損してしまいます。
※納めた税金額が足りない場合でも精算されません。この場合、罰則(税金の加算など)が与えられることがあるので注意しましょう。
扶養控除等申告書(年末調整の書類)を会社に提出し忘れると「1年間の正確な税金」を調整してくれません。なので、税金(所得税)を支払い過ぎている場合でも税金は返してもらえません。
たとえば「103万以下だから所得税は0円のはずなのに給料から所得税が引かれてる…」という方も支払い過ぎた税金は返金されません。
※所得税が0円になる理由についてはページ下記で説明しています。
会社員やアルバイトなどの方は給料をもらうときに、あらかじめ税金(所得税)が徴収されます。給料から差し引かれる税金(所得税)はおおざっぱな金額※になります。
※これを源泉徴収といいます。
※1年間にどれだけ稼ぐか正確にはわからないため、国税庁の源泉徴収税額表を参考にしておおざっぱな目安の税金額(所得税)が引かれることになります。
※出典:国税庁源泉徴収税額表
STEP②おおざっぱに払った税金が返ってくる(年末調整)
年末最後の給料をわたすときに1年間の正確な税金を計算して、余計に引いていた税金(所得税)を返してくれることになっています(これを年末調整といいます)。
※逆に納税額が本来より少ない場合には徴収されることもあります。
では次に、年末調整をしなかったとき罰則などはあるのかについて下記で説明していきます。
年末調整は、従業員を雇っている会社側の「義務」です。したがって、会社側が年末調整を従業員に対して行わなかったとき、罰金などのペナルティが与えられます。
アルバイトは年末調整しなくてもいい?
従業員(パートやアルバイトをしているひと)が年末調整の書類を提出しなくても罰則はありません。しかし、納めた税金が足りないのに年末調整をしなかったときは、確定申告をして税金を納めなければいけません。
納めた税金が足りないのに年末調整をしないで、さらに確定申告もしない場合は、罰則が与えられて税金が加算されてしまうことがあるので注意しましょう。
※「無申告加算税」や「延滞税」で税金が加算されてしまう。
※参照:国税庁確定申告を忘れたとき
納めた税金が必要以上に多かったときに、年末調整をしなかったとしても従業員本人に罰則はありません。ただし、そのまま税金が返ってこないままになります。
※5年以内に確定申告をしないと支払い過ぎた税金は戻ってきません。払いすぎていても税務署は教えてくれません。
したがって、アルバイトをしている方も会社員の方も、年末調整の書類の提出を忘れないように気をつけましょう。
では次に、年末調整をやり忘れたけど税金を返してもらいたいフリーターの方やパート主婦、学生・派遣などの方はどうすればいいのかは下記で説明しています。
年末調整をやっていない人は永久に税金が返ってこないわけではありません。
年末調整の書類を出し忘れてしまった人は確定申告をすると、支払い過ぎた税金がキャッシュバックされます。
※これを還付申告といいます。
※何らかの理由で年末調整をしてくれない職場に勤めている方も確定申告をすることをオススメします。
勤務先からもらった源泉徴収票があれば、アルバイトや会社員の確定申告はとても簡単にできます。
※源泉徴収票は12月~翌年1月頃に勤務先から配布されます。源泉徴収を無くした等で手元にない場合は再発行してもらいましょう。
※会社側は源泉徴収や年末調整をするのが義務なので、やってくれないのはルール違反になります。勤務先が危ない会社だと思ったらなるべく早めに転職することをオススメします。
今はスマホでもかんたんに申告書を作成できるので、今まで一度も確定申告したことがないという方も安心してください。
※年末調整の書類を出していない人は確定申告にトライしてみましょう。意外にかんたんです。
確定申告はいつやるの?
税金を返してもらう手続きは年末調整をやり忘れた年の翌年1月4日以降から受け付けてもらえます。
※たとえば、2023年1月~12月までの収入における税金を返金してもらう場合は2024年の1月以降に確定申告をすればOKです(5年以内までなら返金を受け付けてくれます)。なので、「確定申告をし忘れた!」とあせる必要はありません。源泉徴収票を用意して、5年以内に確定申告をして税金を返してもらいましょう。
確定申告のやりかた
確定申告の手順は下記の記事で説明しています。
もし、確定申告をするのが不安な方は試しにテキトーに金額を入力して申告書のつくりかたを練習してみてもいいかもしれません。
※税務署に提出する申告書に正しい金額を入力すれば問題ないので、高校生や大学生などの方もためしに申告書を何枚も作ってみましょう。
アルバイトやパート主婦の方は1年間の収入が103万以下なら所得税はかかりません(所得税が0円)。
※収入が給料のみの場合。
したがって、「あんまり給料をもらっていないのにバイト先から税金が引かれてる…」という方は、年末調整をすれば税金がキャッシュバックされます。
アルバイトをしている高校生や大学生などは、なるべく年末調整をすることをオススメします。
※学生なら記入する項目も少ないのでとても簡単です。
※記入例は年末調整の書き方で説明しています。
なぜ年収103万円だと所得税が0円になるのかというと、所得控除(基礎控除)48万円によって課税所得が0円になるからです。
では、所得税が0円になる理由を下記の計算例で見ていきましょう。
※ただし、住民税は100万円を超えるとかかります(市区町村によっては93万円を超えると住民税がかかる場合があります)。
※未成年は約204万円まで住民税が0円になります。くわしくは住民税が0円になる場合を参照。
となります。給与所得以外に所得がないので、48万円が総所得金額となります。
総所得金額がわかったので、つづいて、❶課税所得を計算して、❷所得税を計算することになります。
❷次に所得税を計算する
※所得税については所得税とは?を参照。
以上のように、所得が48万円以下なら所得控除によって課税所得が0円になります。したがって、課税所得0円に所得税率をかけると所得税は0円になります。
所得控除額がもっと多ければ収入が103万円以上でも所得税はかかりません。ただし、住民税については一定以上の収入で課税されます。くわしくは住民税が0円になる場合を参照。
以上のように、パートやアルバイトで年収103万以下なら所得税は0円になるので、103万以下なのに所得税が徴収されている場合は年末調整をすれば戻ってきます。
アルバイトやパートを掛け持ちしている場合、基本的には確定申告が必要になります。
それぞれの勤務先で源泉徴収や年末調整をしてもらっても、正確な税金額が計算されないため、確定申告で精算をする必要があります。
※所得控除が重複されてしまうため。したがって、年末調整は2つの勤務先の両方で提出しないようにしましょう。
支払い過ぎた税金がある場合、確定申告をしないと戻ってこないので、なるべく確定申告をすることをオススメします。
※それぞれの勤務先から源泉徴収票をもらったら、確定申告をしましょう。
下記の記事で確定申告書をサッと作成して提出しましょう。
勤務先が2ヶ所以上ある場合の確定申告のやりかた
ここまで説明したように、年末調整の書類を出し忘れてそのままにしていると「税金を支払い過ぎ、または足りない」状態になってしまいます。年末調整していない方は確定申告をして精算しましょう。
もしも確定申告書を作成するのが不安な方は下記の記事を参考にしながら申告書のつくりかたを練習してみてもいいかもしれません。
年末調整を忘れたときの確定申告のやりかた